妖怪ってこうだよ
昔話を聞かせようか
売れ行き悪化で廃刊寸前の雑誌記者である山田。オカルトめいた話を仕入れるために哭倉村へ訪れます。薄暗い雰囲気に覆われたこの廃村で、突然姿を現わし帰るよう警告してきたのは鬼太郎、ねこ娘、目玉おやじという妖怪でした。しかし山田は退く事なく取材を始めると、目玉のおやじが話し始めるのでした。
昭和31年、日本の政財界を握っていたのは龍賀一族。その当主が死去したため、帝国血液銀行に勤める水木は次期党首へのアピールのため一族の住む哭倉村へ向かいます。道中の列車内で田園風景を眺めていた水木に、謎の白髪男が声をかけてきます。それは現か幻か、水木は”知らない世界”へ足を踏み入れたのでした。
目玉のおやじ
鬼太郎の父親として有名な妖怪”目玉のおやじ”は、眼球に体が付いただけで妖力等はありません。身長9.9㎝で体重33gという彼の武器は”博識”です。茶碗風呂が好きで争いを好まないこのおやじ、元は普通の幽霊族で人間と同じような容姿をしていました。しかし”溶ける病”によって目玉だけに・・・
本作はおやじが人間の姿をしていた頃から目玉になった原因を語るお話。口調は見た目より遥かに高齢で(実際うん百歳です)、一人称は”わし”。戦闘にも慣れており身体能力だけなら鬼太郎より強いかと思われます。そんな彼が目玉になった経緯とは・・・
日本のカルトが詰まってる
最初に伝えなければいけないのは”鬱系やん!?”という事です。水木しげるの作った世界の原点回帰で、閉鎖的な村・金と地位・醜悪な慣習と見事に古き悪しき日本を創っていました。これら全てが昭和中期まで本当にあったんだろうなあ・・・なんて考えれてしまうことが一番鬱です。そんな糞溜まりの中であがく水木とゲゲ郎達に胸熱でした。
怨念入り混じる本作は”おどろおどろしい”がしっくり。更にこの言葉は幽霊や妖怪ではなく、人間に対して使われているのです。神と妖怪は表裏一体であり、人間次第でどちらにもなり得る超越した存在。良きことも悪きことも人次第ということは、妖怪が害を成す人間自体が悪なのかもしれない。鬼太郎作品でこれだけ想いに深けたのは初めてですよ・・・
\月額550円で見ホーダイ・読みホーダイ/
コメント も、文句以外で・・・