いやあ・・・泣いてしまった・・・
出会いは最悪
海を魚を愛する大学生鈴川恒夫。メキシコの海で幻の魚を見る、という夢を持っており、その為にダイバーショップで働きお金を貯めています。恒夫はある日、いつもと同じ帰りの坂道で、車椅子から転げ落ちてきた女性山村クミコを助けます。そして彼女は開口一番「変態!」と怒鳴るのでした。
そんな出会いの2人ですが、祖母チヅから”ジョゼの言う事を聞くバイト”として雇われ、クミコこと”ジョゼ”と海へ行くことでお互いの距離が縮まります。足の不自由なジョゼが海に憧れる理由も切なく恒夫の心に響きます。そして彼女は自身の中で一番怖いもの、”虎”とも恒夫を頼りながら対峙します。この関係はいつまでも続くかのように見えたのですが・・・。
「ジョゼ」はどこから来た名前?
クミコが名乗る「ジョゼ」とは、フランソワーズ・サガンの著作「一年ののち」の登場人物。実在している作品ですが、何故に名乗った??と思ってしまいます。かなり自由奔放なジョゼはクミコとは対極に見える生活と性格に見えますが・・・
サガン作品って文学的で中々触りにくい印象があります。そんなサガンが好きな20代女性が意気投合し、「ジョゼって呼ばれるのステキ」というのは男性視点では解釈困難です。ジョゼの諦め・絶望を感じながらも奔放に生きる姿はクミコの心情に合っているとは思います。
夢や願いに手を伸ばすのは怖いこと
感情が溢れてくるアニメ。自分を諦めていたジョゼの、「外に出たい」「海を見たい」という想いは1人では叶わないものでした。そこに現われた恒夫は有難い存在ですが、同時に届かない存在でした。諦めきれないという感情は皆ある程度持っているもので、届かないと思いながらも手を伸ばす行動を「勇気」と呼びます。・・・なかなか出せないもんです・・・
思い通りにならない現実は誰しも同じで、苦しい時・辛い時に押しつぶされそうになる、そんな時に観て欲しいアニメで、女性の芯の強さが男性の簡単に折れる芯を支え直すのは「ほんま、それ」と納得でした。
一番心に刺さった名言1つだけ・・・チヅ「最近のジョゼはグリコの看板みたいや」この大阪全開のセリフがジョゼの変化を表していました。
⇑ 何も諦めなくていいんです
「不思議の海のナディア」もジョゼのように性格に難ありでした ⇑
コメント も、文句以外で・・・