本当の1人ボッチの世界で生きるのは地獄
ダメダメ一家の真実
就職活動中の佑河樹里には無職の父貴文、ニートの兄翼、そして祖父に母親とシングルマザーの妹早苗、その息子真と大所帯の家族がおり、一つ屋根の下で暮らしています。貧乏ながらも平凡なこの家族ですが、ある日突然翼と真が幼稚園からの帰り道で誘拐されます。そして犯人から貴文の元へ身代金の連絡が。しかも受け渡し期限が30分と短く、間に合わないと考えた樹里は包丁を握るのでした。
そんな危機的状況で祖父は2人をなだめ、そして佑河家に伝わる”止界術”を使い”時を止め”ます。全てが止まり「わしらしか動いている物はない」と、早速2人を助けに受け渡し場所へ向かうのですが、そこには自分たち以外の”動く人間”に遭遇し襲われます。誘拐の本当の目的は佑河家にある”止界術の石”を奪う事でした。祖父に備わっている”特殊能力”を使いながら2人の救出と石を護るために樹里・貴文・祖父の3人は戦う決意をするのでした。
SFアクション
平凡な家族で最初の雰囲気からはミステリ・ホラー系と思って観ていました。しかしびっくりするほどSFバトル満載でした。まさか”化け物”まで出てくるとは思っていなかったため、その意表をつくアイデアと展開の早さに見惚れてしまいます。特に”神ノ離忍(カヌリニ)”の存在でメリハリはっきりした作品になりました。
この神ノ離忍は止者を殺そうとする者を殺します。”殺意”に反応するこの存在のおかげで、無防備な止界でも下手に殺人を犯す事が出来ません。そして余談ですが”カヌリニ”はアニメで聞いた時”管理人”と聞いてしまい、終盤まで”管理人”と思い込んでいました。止界の管理人という意味を言葉掛けしていると思いたい。
”時の止まった世界”で生きて行く
止界術を使えば人生が大きく変わります。悪用すれば大金持ちになれる術です。しかしそんな世界に”住む”となれば別の話でした。この作品のキモは”止界から出れない状況”にあります。止者を傷つける事は神ノ離忍が許さないのは大丈夫でしょうが、登場人物達(敵合わせて20名ぐらい)以外は何も動かない世界は、ただそれだけで気が狂いそうでした。
最初は賑やかなモノですが、バトル物なので後半は人数が減っていきます。どうでしょう・・・この世界に何人までなら生きていけそうですか?僕は3人になった辺りから諦めそうです。現実社会には仕事や人間関係なんていう俗で辛い事が待っています。しかしそんな辛い世界であっても、時間が止まった世界に取り残されるよりかは幾分良い世界だと理解させられました。
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