深い闇と複雑な謎のゾワゾワ
救った命が他の命を狩る
1986年西ドイツ。天才脳外科医Drテンマが勤務するのはアイスラー記念病院。院長の娘エヴァと婚約し出世コースのテンマは、日々の手術と研究に勤しんでいました。ある日、頭部を銃で撃たれた少年ヨハンが搬送されます。同時に市長も重病で搬送。テンマは少年ヨハンを選び手術しますが、それが院長の怒りを買う事になり出世コースから外れます。
1995年、外科部長として静かに働いていたテンマの前に現れた少年。それはあの時に手術を行ったヨハンでした。そしてヨハンはテンマの患者を殺害し、過去の殺人も告白。テンマが救ったのは凶悪な殺人鬼なのか・・・
登場人物が多すぎる・・・
あらすじではテンマ、ヨハン、院長、エヴァとキャラ名を書きましたが、他にも主要的立場としてヨハンの妹アンナ、警部ルンゲが序盤で登場しています。最終話まで20人以上の名前が出てきますが、この人数自体は多すぎるとは思いません、が・・・
100人覚えなきゃいけない・・・みたいな感覚になるのは和名が少ないことと、出番が少ないのに名前だけ頻繁に出て来る、という現象のせいです。更に冤罪・猟奇・権力・児童虐待・東西冷戦、ベルリンの壁と多様な社会テーマが絡むことで僕の脳容量がパンクし、結局人物WIKIを見ながらアニメ見るという事に・・・僕だけかなあ・・・・
完璧カリスマ、ヨハン・リーベルト
本作はヨハンに触れるための作品（過言）。テンマ視点で追うヨハンは完璧で非の打ちどころがない知性と悪性を持っています。しかし単純な悪なのか・・・テンマに追われる事で知らなかった事に気づかされる、そんな一面を見せるこの男はただの人間なのかもしれない。
そんな想いに更けながら観た全74話の本作。長い・多い・複雑・鬱と観るモノを選びます。しかしながら浦沢直樹の”人間だからこその闇を映し出した”ストーリーは秀逸。”PLUTO”でも感じましたが作者は、人間は愚かな生き物だから希望がある、と伝えているのかもしれません。観終えた後の凹感はナカナカのモノでした。
コメント も、文句以外で・・・