昔見た時は評価0.5でした
最先端の介護ロボット
87歳の寝たきり老人、高沢喜十郎は19歳の看護学生、三橋春子から介護ボランティアを受けながら生活しています。高沢はほんの少し手足が動き、会話ができる程度。現代ではこのような高齢者が増加しており、厚生労働省ではロボットの開発が進んでいました。
そして厚生省は最新型介護ベット”Z-001号機”を発表。超小型原子炉を動力とした、超高性能なこのベッドのモニターとして高沢が選ばれます。拉致されるように連れて行かれ、ロボットを装着させられた高沢。心配した春子が調べてみると、ロボットは実は軍事用に開発されている物。そして厚労省の施設に忍び込んだ春子は、Z-001号機の本当の姿を見る事になるのでした。
老人+ロボットのSF物
高齢者介護や厚労省の暗躍という警鐘物として見ると高評価。割と重いテーマなのですが、ハチャメチャロボのおかげで軽快に観やすい作品です。まさか介護ベッドから、あれほど凶暴なロボットになるとは・・・コンセプトは”老人を戦闘の先頭に”だったのでしょうかね・・・
”高齢化社会の未来”を考えるとロボットは必要。そういった言葉を隠れ蓑にして兵器を作る国の組織。あれ・・・?2024年の現代、日本でもありそうじゃないですか・・・1991年に介護需要と軍事参加を予見していたのか、”今”観ると面白みが増しています。これは観る時期で評価が変わる作品なのです。
昔観た、そして最近観た
遠い昔に友人達と観た時は”何だこれ??”でした。選んだのは当時介護系の学生だった僕なのですが、友人達からの非難はGOGOでした。しかし現在では評価が変わり(僕だけ)、作品の警鐘に時代が追いついてきました。当時のあいつらにも観てもらって、非難してきたことを謝って欲しいぐらい。
皮肉たっぷり詰め込んで、近未来への警鐘を鳴らしていた老人Z。機械に移行していく政府と、人との繋がりを大事にしたい看護・介護職と高齢者本人。1990年代よりも2020年代の今の方が頭を抱えています。本作は今なら幅広い年齢に評価されそうな、30年の時代を先取りしすぎた名作でした。
コメント も、文句以外で・・・