気持ちが分かる・・・あれ?僕もサイコパス?
警察官?殺人鬼?
マイアミ警察で血痕分析官として働くデクスター。仕事熱心・優秀・温厚の3拍子。現場に残った血痕から殺害方法や倒れ方まで推理してしまう彼は、署内でも一目置かれた存在。実生活も妹デボラとガールフレンドのリタ、リタの子供達と仲睦まじく順風です。しかし彼には誰にも言えない異常な秘密がありました。
幼い子どもの殺害を繰り返しているパッと見紳士のドノヴァン。警察に捕まることもなく悠々と暮らしていた彼が、ある日突然注射で眠らされ攫われます。目を覚ますと全裸でラップ巻にされ身動きがとれません。そこに姿を現したのは血痕分析官デクスター。彼の頬に小さく傷をつけ採血すると、穏やかで物静かな口調でドノヴァンに質問を始めるのでした。
デクスターと同じく「普通」を望むヴィン・マスオカ
デクスターの同僚で監視機関のヴィン・マスオカはかなりの変人。女好きで下ネタを連発するため、周囲からの目は男女問わず冷たいもの。空回りも多く、お調子者で空気が読めません。しかし実は好人物で、嫌がられはしていますが憎めない存在です。デクスターもマスオカには警戒弱く、歩調が合うようでした。
このマスオカ、普通の恋愛と普通の交流を望んでいます。デクスターも同じく、2人とも自分自身を変える事ができない悩みを抱えている同士。少し違うのはマスオカは自分を隠してはいません(それが問題ですが)。どちらにせよ社会に受け入れられない2人は、それぞれに思う「普通の幸せ」を欲しがっています。話変わりますが、マスオカの「ウヘヘへ」という笑い方は脳裏に残ってキツイ。
本当の自分を隠すのは辛い
本作はデクスターの葛藤が伝わって来るヒューマンサイコパス作品。ある条件が整って初めて行為の及ぶのですが、その本質はシリアルキラーです。殺意衝動を抑えきれないがために、自分自身に暗示をかけて我慢しているだけの状態です。どちらの自分を望んでいるのか、観ている方もわからなくなります。
デクスターは「普通の生活ができる」と思い込んでいます。人の感情がわからず、取り繕った会話で乗り切っていますが、やはり自分を隠すのは無理があります。こんな文章書いていると、職場の自分・友人と話す自分・ブログでの自分がよくわからなくなります。全部合わせて「自分」なのでしょうが、人はいくつもの仮面を持って生きていくものなのです。
「テッド・バンディ」もデクスターのような甘いマスクの殺人鬼 ⇑
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