秀逸なダークファンタジードラマ
実は世界は魔物だらけ
アメリカ・ポートランド市警殺人課の刑事ニック・ブルクハルト。上司からも一目置かれるとても優秀な普通の人間でした。ある日のこと明らかに人間とは異なる容姿の女性を目撃します。しかし改めて確認してみると、若く美しい女性になっており、疲れているから見間違えたと自己完結していました。
そんな折に叔母のマリーが訪ね、驚きの告白。それは「ブックハルト一族にはヴェッセン(魔物)を見抜く力(グリム)がある」という。更に捜査中に人狼のヴェッセンであるモンローと出会います。彼は善良で「グリムとヴェッセンの関係」を教えてくれます。ニックはモンローとの出会いから、2人でヴェッセン絡みの事件を調査し始めるのでした。
メルヘン感のないグリム
グリム童話が題材ではありますが、メルヘン感はありません。ファンタジーな世界ではありますが、残酷でおどろおどろしいダーク物。戦闘シーンでは普通に返り血を浴び、欠損もありの戦い。抑えめ描写ではありますが、それでも穏やかな物語ではありません。主人公もウサギではなく、イケメンおっさん刑事です。
そんな刑事と人狼髭男モンローというコンビが事件解決に臨むという、現実感も強いためメルヘンは求めずに見てください。ただしヴェッセンの中にはビーバー・猫・ウサギ型といった小型動物系も存在しています。この辺はモフモフもあり、メルヘンファンタジー感あり童話世界を思わせます。
多種多様なヴェッセンも人間と同じモノを守りたい
問題を起こすのはヴェッセンに見えますが、刑事ニックから見れば人間も同じです。ただしニックが困るのは、能力持ちのヴェッセンに立ち向かうには単独では厳しいことです。ヴェッセンを見抜く以外の力がないグリムには協力者が必要でした。その協力者には人間だけでなく、生活を守りたい・普通に暮らしたいヴェッセンもいました。
ヴェッセンは普段は人間の容姿です。人間社会で普通に働き、死後も人間の姿になるので、グリム以外で判別つける手段はありません。この物語は人間・魔物は関係なく、善悪は人(魔物)によるという設定でした。ちょっと変わったヴェッセン達の種族毎に異なった生活が垣間見える「グリム」はダークファンタジー好きにはたまりません。
コメント も、文句以外で・・・