悪い意味でも頭に焼き付く映画
「理想郷」を作りたい教師
舞台である私立農光学院町田高校はモンスターペアレント・裏サイト・不良に悩む、ごく普通の高校です。そんな高校の光ともいえる存在蓮実聖司は、授業は楽しくわかりやすい・生徒とのコミュニケーションも良好で優しい上にイケメン。同僚や保護者からも一目置かれている、まさに理想的な教師です。女子高生内で親衛隊ができ「ハスミン」と呼ばれるほどの人気者。そんな完璧な彼ですが、少し変わったところがありました。
授業が終わり帰る場所は野原にポツンとある掘っ建て小屋。着くなり全裸になったかと思うと、静かにトレーニングを始めます。学校の明るい雰囲気とは大きく違い、目に闇を落とした表情でただただ体を鍛えあげている姿は異様なものでした。この行動は蓮実にとって「理想郷を作る」ための活動ですが、彼の理想郷は私たちの考える世界ではないものでした・・・・・
胸糞映画だが、ハスミン役の伊藤英明は素晴らしかった
学校に一人は欲しいと願う完璧教師ハスミン。明るく温厚なイメージが先行するのですが、問題の解決方法が飛んでます。携帯電話でカンニングをしているのを防ぐ案が、妨害電波を流すという法令違反。一つの目的解決のために他は気にしないという、自己中心で自己解決的な様子はサイコパスそのものです。
そのことを校長に指摘された時見せるやばい顔。ここに伊藤英明の素晴らしさが見えました。サイコパスの良い顔悪い顔の両面を一瞬で魅せたこのシーン。後半イカレタ様子で口笛を吹きながら校舎を歩く姿と重なり恐怖しました。人懐っこい笑顔と冷たく見下した表情の落差にゾクゾクさせられました(危ないですかね?)。
爽やかすぎるサイコキラー
ハスミンは誰もが「この人が悪い人のはずがない」と思わせる人物。しかし善悪の判断が曖昧で、性的にもだらしない姿が垣間見えます。それでも中々ばれないのは「善の顔」が強すぎるせいでした。イケメンって得だな!!!!と思ってしまいますが、実際のサイコパス事件なんかも「まさかあの人が・・・」と及び聞くのリアルなのでしょう。
なかなかハードな映画で、耐性ない方には辛い作品です。僕の感想としては「2度と観たくないけど、またいつか見てしまうな」です。狂った際に口笛を吹いていますが、作品観た後で調べた曲名「メッキーメッサーのモリタート」は耳に残ります。中には夢にまで見るとか・・・この作品邦画サイコ物としてA級作品です。
コメント も、文句以外で・・・