嫌われ者ばかりのヒーローズ
本当のワルを知ってるかい?
レストランで食事をしているのはミスター・ウルフとスネークの2人。このロサンゼルスでは大きく名の売れた2人の傍には誰も近寄りません。それもそのはず、この2人にタランチュラとシャーク、そしてピラニアの3名が加われば、顔も隠さず堂々と銀行強盗を働く大悪党グループ”バッドガイズ”勢ぞろいです。
バッドガイズはパトカーの追跡を躱し、アジトでスネークの誕生日会をしています。するとTVで州知事フォックシントンが「バッドガイは時代遅れも甚だしい」と挑発しました。怒ったメンバーは州が管理している”黄金のイルカ”というトロフィーを盗むことを決意。意気揚々と現場に乗り込みますが、ミスターウルフが”おばあさん”を助け、「ありがとう」と言われると、知らず知らず尻尾が大きく揺れ喜びを感じます。ミスターウルフの中で何かが生まれた瞬間でした。

バッドガイズは確かに恐れられる存在
バッドガイズはウルフ=狼、スネーク=蛇、タランチュラ=毒蜘蛛、シャーク=鮫、ピラニア=肉食魚と近寄りがたいメンバーで構成されています。本作は対比が巧でバッドガイズはちょっと避けてしまうような動物、州知事は賢いキツネ、そして敵役?善人役?はモルモットと可愛い存在。見た目で善悪の差別化をしていました。
そしてこの構図を引き立たすために、主要メンバー以外は”モルモットを可愛がり、肉食獣を怖がる人間”です。生物の垣根を無くしながらもルッキズムは健在、というアンバランスが面白さを増幅させていました。しかしこのバッドガイズ、そもそも生まれた瞬間から”ワル”だったのでしょうか・・・
何をしても、どうせ
結局見た目が怖いから避けられる者同士で集まっているのがバッドガイズ。しかしおばあさんに初めて感謝されたウルフには善の心があったようです。では、他のメンバーはどうでしょう?諦めて選択肢の無くなっていた彼らですが、それこそ周囲の目で作られた偶像。これは本当の自分を知る・探す物語でした。
ルパンを思わせる展開に胸熱。アニメならではの自由なアクションに、意外なキャラの歌ウマ。敵役の陳腐な魅力にヒロインの強烈なインパクトと、子供も大人もテンションの上がる作品でした。因にプイプイモルカーとは関係のない作品ですので、勘違いなきよう(しないか・・・)。


コメント も、文句以外で・・・