アリ・アスターなら仕方ない
不安で不安でたまらない!
中肉中背の中年男ボー・ワッサーマン。彼は精神障害があるのか、常に何かしらの不安を感じ怯えています。セラピストの診断では最近の出来事を話す中、父の命日に実家で過ごす母に久しぶりに会うと語る彼に笑顔はありません。そして里帰りの前日の就寝時、近隣住民から「うるさい!」という警告文を部屋に投げ入れられます。音は出していないのに・・・
そして寝過ごしてしまったボー。慌てて準備をしますが、鍵を紛失して大パニックに。鍵がないから怖くて家を出れない、そんな不安を母に話すと「結局帰ってきたくないんでしょ。」と口論になってしまいます。更に不安になったボーは薬を飲みますが、この行動が更なるパニックの原因に・・・
何を見せられたのか・・・それはわからない・・・
初っ端から何が起こっているのかよくわかりません。最初のセラピーから精神的に問題がある、と解釈はするもののファンタジーなのかもしれない。それともディストピア・・・?まあ、序盤だから徐々に・・・なんて考えて観るのは大間違い。これはアリ・アスター×A24作品なのです。
全編通じて現実と妄想の境目がわからない作風はアリ・アスター監督の得意分野。A24が制作に関わり鬱名作の期待大!その期待に応えるように本作は混沌・困惑・謎に異形と楽しませてくれます。そしてホアキン・フェニックスが魅せるボーの情緒不安定さが何よりも恐ろ面白しろかった!
オープニングとラストで締められる
ボーは現実味のない人生を生きます。自身の不安定さから様々な物に対する認識が違い、それが映像化され全てが恐ろしいモノに見えて・・・本当にそうだろうか?もしかして冒頭で出産された未熟児の”こんな人生なら生きたくない”というビジョンでは・・・。どちらにしろ”前向きな解釈は存在しない”作品ですな。
本作は3回観ても理解はできない。それはきっと監督の”見る人全てが嫌な思いになりますように”という祈りが効いているからです。僕もしっかり嫌な気分になり、ちゃんと”なにコレ”なタメ息が出て後悔もしましたよ。ボー役がホアキンでなければ観なかったのになあ・・・いや、やっぱり観たなあ・・・気持ち悪いのが苦手な方は避けた方が良いですよ。
\サブスク引き籠り応援団です/
コメント も、文句以外で・・・