男性の利権も訴えたスーパーヒロイン
男女差別の強い時代
貧しいユダヤ人として生まれたルース。努力家の彼女は名門コーネル大学で政治学の学士号を取得します。そこで出会ったマーティン・ギンズバーグと結婚し、翌年ジェーンを出産。その後に夫が通うハーバード大学法科大学院に入学をします。しかし1956年の当時、500人の新入生がいる中で女性9人、女性用のトイレもないという”格差”が明らかな体制でした。
そんな格差を思い知らされながらも夫の協力もあり、充実した毎日を送っているルース。しかし夫がガンに罹り”生存率5%”と宣告されます。それでも”諦めない”姿勢を貫き支え続け、夫の病状も回復。更にルース自身も”主席で卒業”を果たしました。娘も育ったある日”親の介護費用控除が認められなかった”、という男性の事例を見たルース。女性差別を訴えていた彼女はこの時”男性も差別されている”という事に目が向きます。男女差別を無くす、その一歩目を踏み出した瞬間でした。
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ルース・ベイダー・ギンズバーグを描いた実話
”努力家”のルースは、ハーバード大学もコロンビア大学も優秀な成績を残します。しかし連邦公裁判所やニューヨーク内の法律事務所からは、”女性だから”という理由で採用されませんでした。しかしそれから30年後の1993年、クリントン大統領から指名され連邦最高裁の最高判事に推薦されリベラル派最高判事として広く知られます。
”人権のため”に終生戦った女性で、2009年に膵臓がんと宣告されても引退はしていません。2018年には転倒で肋骨を折る重傷。更に治療の際に悪性腫瘍が発見され手術を受けたのが85歳でした。その後も入退院を繰り返しながらも執務を継続し、2020年87歳で死去されています。そしてギンズバーグ後任の際、保守派の判事を指名したトランプ大統領に抗議するデモが行われました。新型コロナで自粛の年に10万人もの人々が参加したデモを見ると、ルースの”偉業”の大きさが伝わってきます。
”女性差別”ではなく”性別差別”そのものに取り組んだ方
女性の地位向上を目指すルースですが、”男性も差別されている”という部分にも目がいきます。これが僕のような凡人との大きな違いです。自分の主張を通す時、対する主張も省みるというのは難しいもの。平等に差別を無くすよう働いた結果、ルースは女性の地位改善・向上に大きく貢献しています。そんな部分をピックアップしている作品でした。
こういった1960年とか、それ以前の”差別”に関する映画を観ていると非現実的な世界に見えてしまいます。当時と比べれば今はかなり平等に感じていますが、それは本作のように”戦った人たち”の功績です。本作は意思の強さや貫き通す偉人というのは、こういう風に時代を変えていると伝えて来る作品でした。
⇑ 60年代の女性差別が起こした悲劇
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