”音”だけでは難しい真相究明
316人の犠牲を出した最新型航空機
ヨーロピアン航空のアトリアン800がアルプスで墜落事故を起こしました。連絡が入ったBEA(航空事故調査局)のポロックが現場に駆け付けます。普段は同行するマチューですが今回は外されており、局内で情報を待っています。そして乗客300人と乗務員16人の死亡が確認され、機内に設置されたブラックボックス(サウンドレコーダー)が回収されました。
調査が始まったその翌日、ポロックが失踪します。しかし今夜は記者会見が行われるため、急遽マチューが音声分析を任せられます。そして様々な”音”を頼りに辿り着いた答えは”コックピットに男が侵入した”という事でした。この分析が高い評価を得、マチューが責任者に任命されます。そして犠牲者の夫から「事故直前の留守電が残っている。」と連絡が入ります。そしてこの留守電がマチューを真相へと導くことになるのでした。
BEA=フランス航空事故調査局
本作のBEAとはイギリスのではなく、フランス航空事故調査局の事です。フランスの政府機関として航空事故の調査を行い、安全性や今後の改善策を提案しています。フランス領内での航空事故はもちろんですが、フランス製の航空機によって起こった事故なら領外であっても、現地が行わない場合においては調査を請け負います。
BEAは実はちょっとした事で有名で、ル・ブルジュ空港にあるBEAの本部はめっちゃ簡素。そして公式HPにある”段ボールで作られたBEA本社”は、ニコニコ動画を見たBEAが買い取って展示しています。作者は日本人です。本作はそんなフランスの粋な組織、BEAの全面協の元リアルに作り込まれていました。
音も声も真実とは限らない?
マチューは優れた聴力を持っていますが、その反面”音以外”も想像してしまう面がありました。そのため調査から外されており、そういった性質のせいで”妄想かもしれない”というリードが行われています。周囲も本人も”何が真実か確定できない”まま進む展開に目を惹かれました。
信用できるものが無い時、そんな時は自分を信じるしかありません。例えそれが真実でなくとも、間違っているという確証がない限りは調べるという信念が必要でした。周囲に疑われ、調べても証拠が出ない、そんなマチューの立場は分が悪いもの。目で見て耳で聞いた事が本当の真実なのか、それは作品のラストで語られます。


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