猫は人間を救う・・・
最悪の環境に幸せの予感
ヘロイン中毒で救急搬送されたジェームズ。ホームレスであり社会復帰も困難な彼に病院のソーシャルワーカーが動きます。担当のヴァルのおかげで、更生プログラムを受けながらアパートで暮らせるようになります。屋根があり安心して眠れる生活に満足し、ジェームズは薬物中毒から立ち直る決心を固めます。
このジェームズの住む部屋に毎日猫が入り込んできます。追い出そうとしても出て行かず、出ても翌朝には帰ってきます。そんなある日、猫に大きな傷があることに気付きます。ジェームズは外で助けを求めるのに必死で、気付けば知らぬ家の敷地内に侵入してしまっています。その住人であるベティは猫に応急手当をし、さらに猫に「ボブ」と名付けます。結局猫を引き取ったジェームズに、猫の恩返しが始まるのでした。
ホームレス支援雑誌 ビッグイシュー
作中でジェームズが行う雑誌販売の仕事。この雑誌「ビッグイシュー」はイギリス発祥のホームレス支援雑誌で実在します。「ストリートペーパー」と呼ばれ、路上販売で得た収入の半分以上が販売者の取り分になります。仕事の提供を行う事で自立支援を促す事業で日本にも存在してました。ちなみに僕はこの映画で雑誌の存在を知りました。
日本のホームレス事情としては2000年から比較して5分の1まで人数が減少しています。格差社会は広がっているのですが、ホームレスは減っている矛盾。これは自立支援法によって一時宿泊などの効果によるものです。実際はホームレス自体の減少ではありませんでした。ビッグイシューは効果的なものの、現在の活字離れ(スマホで済む時代だからね・・・)が進み、今後の継続が危ぶまれています。ホームレス解消で廃刊ならいいのですがねえ・・・。
猫が救う!じゃなく、多くの支援で立ち直る
実話が基になっており、題名で猫の奇跡と思って観てしまいました。実際はホームレス・中毒からの脱出の困難さを体感させられます。そのうえで自立は国の支援、個人の支えがあってこそ成功するのだ!と訴えてくる作品でした。ただし、勿論猫がカワイイのは事実であり、作中一番の活躍はボブですよ!
これからの日本にとっても、映画で観てるだけの世界ではなくなるかもしれません。日本社会においても警鐘を鳴らしている作品と同時に、誰かが観ている・支えようと手を伸ばしている事に気づかせてくれます。支援を受ける側も強い意志をもって、信頼を裏切らない決意と行動が実を結ぶんだよ・・・と語ってくるボブ(妄想)でした。
コメント も、文句以外で・・・