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本人の望みは叶ってしまった「チャプター27」

チャプター27 ☆映画あらすじと感想
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3.3 理解できない人間は存在する

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\サブスク引き籠り応援団です/

自分は特別

”ライムギ畑でつかまえて”のホールデン・コールフィールドの生まれ変わりと信じているマーク・ディヴィッド・チャップマン1980年12月6日にニューヨークのホテルYMCAにチェック・イン。その目的はダコタハウスに住む世界的ミュージシャン、ジョン・レノンに会うためでした。

着替えて向かったダコタハウスの前は大勢のファンが出待ちしています。その一人ジュードという女性に声をかけると、2人は話しが合いました。彼女に勧められチャップマンはビートルズの新アルバムを購入し、そのアルバムにサインをして貰おうとします。しかしなかなかジョン・レノンと会うタイミングはありません。そして12月7日、チャップマンがジョン・レノンに対して苛立ちを覚える出来事が起こるのでした。

マーク・チャップマン

少年時代は荒れた一時もあるが優秀な人物。YMCAサマーキャンプで優秀指導員の賞を貰う等、未来を有望視されていた若者です。高校時代から友人の勧めで”ライムギ畑でつかまえて”にハマります。その後も結婚を約束した女性とテネシー州の大学に通い、問題ない一生を送りそうに見えました。

しかしこの頃から学業についていけず、婚約者を裏切り自殺願望が湧いてきます。その後は結婚・離婚という急激な環境の変化に、過度な飲酒と脅迫観念から衝動的で暴力的な行動が出てきます。そしてこの事件が発生し、69歳の現在でも服役中で現在でも殺害理由は「有名になりたかった。それに尽きる。」だと語ります。

世界を止めた男

チャップマンは”ライムギ畑で”に傾倒しており、主人公のホールデンに自分を重ねています。そして作中で出て来る”インチキ野郎”をジョン・レノンに当てははめていた、なんて当時は話していましたが、その実は”何か大きな事をしたかった”というだけの下らない話。救われて欲しくもないこの男ですが、有名になりたいという願望が叶ってしまったのが不愉快でした。

実話を元にチャップマンの心理描写をそのままに描いた本作。この事件を知りたい、と思う反面”知れば知るほど思うつぼ”とも考えてしまいます。現在では”有名に・・・”ではなく、反省の言葉もあるらしいのですが、願わくばこの男に関しては”生涯檻の中”で自分が誰からも認知されない存在と感じながら過ごして欲しい。誰の救いにもなりませんがね・・・

若い頃にしか理解できない葛藤を文字に「ライムギ畑の反逆児 ~ひとりぼっちのサリンジャー~」
サリンジャーは短編小説が発表され初報酬を手にします。そして祝いの席でウーナという女性と出会い恋に落ち、その体験を元に”ホールデンとサリー”という短編を書き高く評価されます。全てが上手くいき出した1947年アメリカは真珠湾攻撃を受け、サリンジャーは徴兵されるのでした。


どんなに綺麗に飾っても、分かり合えない人間は存在する「二トラム/NITRAM」
1996年4月28日に実際に起きたポート・アーサー銃乱射事件の犯人、マーティン・ブライアントを描いた2021年の映画。精神喪失(異常)という法の楯と、安易に手に入る銃の問題を明らかにした事件。人間社会では生きていけない存在があると思います。


人生を変える体験が欲しい「アメリカン・アニマルズ」
アメリカケンタッキー州のトランシルヴァ大学に通うスペンサー。彼は今の退屈な生活に飽きています。そんな折に大学付属の図書館展示室に収められている画集の事を知ります。それは「アメリカの鳥類」という1200万ドルの価値があると聞き、スペンサーは友人ウォーレンに話すのでした。
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