伝説の悪党はこれ以上の存在が無い程完璧
その姿は”ピエロ”
ある日ピエロのマスクを被った集団がゴッサム銀行を襲います。目的は預けられている”マフィアの金”にありました。しかし様子がおかしく、急に仲間割れが起こり強盗団メンバーが殺し合いを始めます。激しい戦闘になり生き残ったのはたった1人。その男は顔にピエロのペイントを施している”ジョーカー”と呼ばれる大悪党。そして金を奪い去っていきます。
バットマンことブルース・ウェインは心身共に疲弊していました。執事のアルフレッドは新任検事のハービー・デントを仲間に推薦し、少し休暇を取るように勧めます。ブルースにも思う所はありますが、ハービーと接触し協力体制を整えようと考えます。”正義の体制”が構築されようとする頃、ジョーカーはマフィア達の前に現れ”バットマン殺し”を提案します。そうやってバットマンとジョーカーはお互いに近づいていきます。
ジョーカー役ヒース・レジャーに喝采を
本作で伝説となったヒース・レジャー。別作品「ジョーカー」のホアキン・フェニックスと同じく最高の演技を魅せてくれました。当時28歳という若手で、しかも超イケメンな彼に大悪党役というのは疑問でした。しかし納得のジョーカー。異常性を持ちながらもどこか理性的で、凶暴でありながらも何故か丁寧に見える。完璧。
口元のクチャクチャという不快な音。見下した目線に他人の顔に興味なさそうな表情。これを会得するためにヒース・レジャーは長期に渡って他者との接触を断ち、孤独の生活を体験しました。メイクも自分の指で実際に行うという徹底ぶり。そしてヒース・レジャーの代表作となった「ダークナイト」は同時に彼の遺作になりました。自身のジョーカーを観ることなくこの世を去ってしまいましたが、ヒース・レジャーのジョーカー像は永遠に遺ることでしょう。
バットマンを暴こうとした
警察もバットマンもジョーカーも同じくエゴで生きている。結局自分の大事なモノが優先であり、自分勝手な正義を振りかざしているに過ぎないんだ、というジョーカーの思想に胸の奥が揺れます。万物平等はあり得ないし、人間はもっと勝手で自由でいいだろ!というまさに道化師なジョーカーは、捕まえても倒しても次が現れてしまいそうです。
世界の何かを壊そうとしたジョーカー思想は、すでにゴッサムシティに根付き、1人の人間ではなく巨大で無数な悪意の塊となっています。自由とは悪なのか、秩序とは正義なのか、それは誰にも分からないのです・・・と、いうジョーカーが大活躍?の本作。正義ではないヒーローの苦難はこのジョーカーの出現によって更に過酷になります。最終章ではバットマンに幸あれ・・・希望薄
⇑ 裸チェンソー男からバットマンに出世
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