これもダークヒーローの一人かと
不審なトラックと”その男”
路上で警官に呼び止められたトラック。運転手は真っ赤なドレスを着て頭から血を流している男性でした。荷台には犬が乗っており、不審に思った警官により逮捕。女装していたダグラスは拘留所で精神科医エヴリンの面談を受けます。そして今までの人生について話始めるのでした。
ダグラスの父の職業は闘犬の育成。しかし愛情はなく道具として扱っています。また家族に対しても暴力的で威圧的。犬好きなダグラスは父に反抗し、隠れて餌をやっています。それを兄に見つかり父に言いあげられることに。激怒した父はダグラスを犬小屋にいれ、犬と共に飼育するのですが・・・

劣悪な環境が何かを壊した
本作のダグラス一家は父親に支配されています。ダンスを踊る母親も父が戻ると物静かになり、兄は父に寄り添い家庭内で権力を誇示していました。怯えながら暮らす中での些細な反抗。まさか犬小屋に突っ込まれるとは・・・この異常な状況下でダグラスに何ができるのか・・・
”実話に着想を得た”という話ですが、”父親によってドッグケージに入れられていた男の子”が実話部分です。特殊な出来事で衝撃的な新聞記事だったそうですが、そこからの想像力が監督リュック・ベンソンの特殊能力。彼の脳内では”遠い神より近くの犬”という構図が出来たのでした。
誰が助けるのか
この家族、意外とクリスチャンなのか兄は”神”を連呼しています。そのくせ父に言いつけては、ダグラスが痛めつけられる姿を笑うという間違った信仰者。そんな兄を見たダグラスが神を捨てるのは当然でした。そして彼は犬を信じ、犬と共に生きて行こうとしたのです。そう、これは鬱系作品。僕好みな世界なのです。
主演ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは非常に鬱作品と相性が良いですね。物静かに”糞くらえ”と語っているような姿に好感が持てます。本編とは関係なく感じた兄のクリスチャンですが、これは”GOD”に見捨てられて”DOG”に救われたという遊び心?です。本当かよ?と思う方はもう一度じっくり観てください。犬に負けじと神系の出番多いですから。



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