出た方も見た方も嫌だ
どこにでもいる普通の”おじさん”
生物学教授のポール・マシューズは妻と2人の娘に囲まれた、ごくごく普通の一般男性。そんな彼の夢は進化生物学について本を出版する事。しかし学生時代の知り合いが同じテーマで論文を雑誌に掲載すると聞き、呼び出して直談判を行います。
全く相手にされず落ち込むポールですが、何やら急に周囲の人が彼を意識し始めます。なんでも生徒や知人、更には見知らぬ人達の夢にポールが出てきたとか。夢では”ただそこにいるだけ”という事だが、あまりに多くの人がポールと夢で逢うため、マスコミからも注目されます。そして一躍時の人となった瞬間、何かが変わっていくのでした・・・

何もしない人物
娘の夢に出てきたポールですが、確かに見てるだけです。夢の中で娘はプールで溺れているのですが、それを見て無表情で「大丈夫だよ、大丈夫だよ」と繰り返すだけ。生徒が見た夢でも襲われている状況を見ているだけでした。助けたりヒントを出す存在ではない、という点がポールにとっては不満。
登場する夢のジャンルにもよりますが、もし自分がポールなら確かに”いや、何かしたでしょ?助けるとかしたでしょ?”と言いたくなります。勝手に夢に登場させといて、助けてくれないとか・・・
ポール自身は何もしていない
夢のポールはこれから変化していきます。しかし実在のポールは普通に生活(ちょっと調子には乗りますが)をしているだけ。夢の男が何をしてもポールではない”はず”ですが、あまりに繰り返すと現実との境が薄くなるんですよね。夢のせいでポールが怖くなる・・・風評ってヤツですよね?
本人と無関係の所で勝手に広まる現代社会そのもの作品。ラストでは”普通の男がしてしまうであろう愚行”によって、物悲しい結末を迎えます。しかしケイジのおかげで滑稽でシュールでコメディな出来となっていました。大量に映画に出演しマッシブタレントという異名(自虐)をとったケイジのための作品。これからも名作よりも迷作に主演して欲しい・・・そう思わせてくれる良演技っぷりでした。



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