コリンは貴族役が似合います
ジョージ6世の悩み
1925年大英帝国博覧会閉会式の演説を、ジョージ5世の代理としてヨーク公アルバート王子が努めます。しかしアルバートは吃音症のため上手く話せず、聴衆を落胆させる結果になりました。この結果を重くとらえたエリザベス妃は言語聴覚士ライオネル・ローグに依頼し、アルバートの吃音賞克服を目指します。
ローグは王室に対し失礼な態度を取り挑発します。そして”ハムレット”の朗読ができるかどうかの賭けを持ち出します。ヘッドホンをつけ音楽を聴きながらという条件で挑戦しますが、アルバートは苛立ち帰ろうとします。立腹しているアルバートにローグは朗読したレコードを渡しますが、そのレコードを聴いたアルバートは驚きます。それは滑らかに悠長に朗読している自分の発生に対する驚きでした。この日からアルバートは吃音改善のリハビリを学んでいくようになります。
題材になった”吃音症”って?
言葉が出てこない、円滑に話せない、発音時に同じ言葉を繰り返してしまう、無音状態が続くという症状があります。本人にも意識があり、吃音状態を抑えるため手足を小刻みに動かす、瞬きが頻繁という特徴がみられます。また発話を中止したりイントネーションを変える、ジェスチャーが多いといった事も”言葉が出てこない苛立ち”の表れです。
実話ベースの作品なので、その治療法も当然実際に有効な手法です。現代においても口回りの力を抜いたり、話しやすい環境や聞く側の態度等が治療に関係しており、”会話意欲を引き出す”ことがリハビリの第一歩となります。吃音に限らない話ですが、やはり”ストレス”によって症状が出てしまうのですね。アルバートには”上手く話せないけど、上手く話さないといけない”というプレッシャーが掛かっていました。
本番は戴冠式のスピーチ
最初の演説に失敗から”自身の戴冠式”でのスピーチまでの物語です。史実に則って”吃音”に悩むジョージ6世の苦難を、名優コリン・ファースがしっかりと、リアルに演じて魅せてくれました。本作は吃音症状に過去のトラウマが関与しており、”過去を乗り越えれるかどうか”という部分にも注目のヒューマン作品。
上級階級の雰囲気漂うコリン・ファースと、失礼な言語聴覚士のジェフリー・ラッシュという”おじさん映画”。作品のキモになる吃音は実際の発語よりも、コリンの動きや苛立ちがリアルです。この部分がしっかり演じられているからこそ、言語聴覚士ジェフリーの仕事ぶりもリアルになります。この2人の葛藤・努力の結果、最後のスピーチがどうなったのかは”お楽しみ”にしてください。
⇑ コリン・ファースはおじさん映画が似合う
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