胸糞ジャンルなら高評価
異様な隣人
オーストリアに住むゲオルクは妻アナと息子ショルシ、そして愛犬ロルフィを連れて別荘に向かってます。道中馴染みの隣人ベリンガに「あとで船を降ろすのを手伝ってね」と声をかけます。しかし返答なく、「なんだか態度が悪いな」とゲオルグは嫌悪します。そして傍に立つ2人の青年を見て「今年は甥も来てるんだな」と話していました。
別荘に着くとそれぞれに調理や船の準備に勤しみます。ベリンガ家の父フレッドも顔を出しますが、どこかぎこちない様子。同行してきた青年パウルはとても丁寧で礼儀正しい印象でした。翌日もう一人の青年ペーターがアナに「ベリンガ夫人から卵をもらって来てと言われました。」と来訪します。アナは卵を渡しますが、ペーターは落としてしまいます。そして「落としてしまったのでもう一度4つ下さい。」といい、さらにアナの携帯電話をシンクに落とします。異様な雰囲気に苛立つアナですが、この後ゲオルグ一家はこの青年2人のイカレタゲームに強制参加させられるのでした。
暴力に理由はいらない
本作のポイントは不条理で胸糞で、そういう風に観れるよう作られている所です。青年2人は白い服に白い手袋、そして言葉が丁寧なのに自己中心的な発言しかありません。2人の会話も虚実がわからないモノばかりです。卵を取りに来たのも、ひょっとした普通にもらいに来ただけなのかもしれません。”気が向いたからゲームを始めた”だけという可能性もなきにしも非ず。
通常であれば”そのため”の訪問と考えるのですが、この2人に関しては異常すぎてわからないので考察とか無意味に思えます。ひたすらに残虐行為を繰り返す展開に、観ているだけで気分が沈みます。希望的展開を見せた瞬間もあったのですが、なんとリモコンで巻き戻してそのシーンをもう一度やり直すという絶望に変えます。しかし、きっと誰かは助かる!!はず・・・
胸糞を感じさせるコツは会話
この作品でクソなのは2人の会話です。悪意以外持っていないため、ゲオルグ家に対して敬意はありません。どうでもいい会話が多く、まともに対話しません。脅すとか強請るとか暴力ではなく、この丁寧な言葉使いと内容のチグハグさがイカレ具合を現わしています。特に親友でもなさそうな2人で、賢そうでもなく無計画なのに手慣れた雰囲気と、非常にアンバランスな不気味さがあります。
非売運動仕方なしの胸糞作品。悪行に理由なしという背景のない残虐性を見事に表現しています。こんなの観たら一人で歩けなくなりますよ・・・。オチを含めてなんの救いもない作品ですが、話題性は十分。鬱も胸糞もドントこいという耐性ありな方は一見の価値あり。少しでも苦手と感じる方は観る必要は全くありませんので、気になってもこういったブログ等で”こんな作品よ”と見るだけにしましょう。本当に何もないですから・・・
コメント も、文句以外で・・・