桃李はヒールもこなせる
何故死んだのか
東京では”ある公衆電話の上に殺したい相手と内容を置くと殺してくれる”という噂があります。それは現在起きている連続変死事件に関わっている話でした。
Case1 木島 功
都内のバーで黒スーツの男に”ガムシロップ入りの水”を掛けられます。そして男が瓶を取り出し蓋を開けた瞬間”蜂に襲われた”と強く思い込みショック死。
Case2 町内会長:島森
公園でタバコを吸っている所に黒スーツの男が現れ、タバコを手渡します。そして”麻薬性の薬を吸わされた”と思いこまされ、さらに手元にあった水を飲んだ後に”タバコの吸い殻を捨てたペットボトルの水”と強く思い込みショック死。
他現場でも”黒スーツの男”と”心筋梗塞”、そして立証できない不能犯である事が共通していました。そしてこの島森の事件と関連する羽根田夫婦の死亡現場で、警察官多田友子は黒スーツを見つけ事情聴取を行います。しかしこれは黒スーツの男の企み通りだったのです。
不能犯は身近なもの
客観的・事後的に犯罪が実現しないとされる行動の為、罪が成立しない=犯罪ではないという状態の場合、不能犯とされます。藁人形の釘打ちとか、呪術・催眠等が一般的に不能犯です。あるかもしれないのに・・・しかしこの不能犯は未遂犯等との分類は曖昧で、無視できない状況でも不能とされる事もあり得ます。
例えば恐喝。”殺すぞ”といいながらも、立ち去ってしまう人は犯罪ではないのです。”実現する行動”が行われてないからです。言葉では殺せない、ということになります。これは現在のSNSで大きな問題になっています。変な話、SNSのおかげで言葉=犯行を実現する力があると認められてきています。これって呪いですよねえ・・・
殺したいのが理由じゃない?
この黒スーツのイケメンですが、どうやら殺すこと自体を目的とはしていません。また殺す相手を自己評価せず、善人でも依頼者が純粋に死を望んでいれば手を出します。そして依頼者のその後の人生を覗いて一言「愚かだね人間は。」と漏らします。割とヤバ目の役を演じたのはスマイル抜群の爽やかイケメン松坂桃李でした。
デビューから爽やか路線で、この作品の前には”パディントン”の吹き替えを担当。ギャップが過ぎる。本作からダーク桃李の活躍が世に出る事になり、本人にとっては役の幅を広げた作品となりました。特にこの不能犯では人の手を舐めたり、ニチャアという笑顔を見せたりと、そんな汚れた桃李が見たいなら不能犯がお勧めです。
⇑ 桃李は声だけ出演なのです・・・
コメント も、文句以外で・・・