重いような、そうでもないような
ローマ法王の来訪
2011年のスペイン・マドリードはローマ法王来訪で熱気に包まれています。そんな折、とあるアパートで高齢女性の殺害事件が起こります。現場捜査に当たったルイス刑事が気づいたのは”強盗ではなく強姦されている”ことでした。前代未聞の事件に現場は混乱を隠せません。
引き続き捜査に当たるルイスですが、能力は高いものの極度のコミュ障。聴き取りが難しく、バディであるハビエルは直情型で超短気なトラブルメイカー。難航している最中、新たな被害者が出てしまいます。しかし警察上部は法王来訪を優先し、「老女強姦殺人なんて起こってなかった。」と隠蔽命令を下します。納得しないルイスとハビエルは捜査を続けますが、これは想像もしない程の大きな事件に繋がっていたのでした。
2人の刑事は無能な高性能
ルイス刑事はコミュ障大爆発で陰鬱な存在。捜査能力は高いのでしょうが吃音と症状が混じりすぎて、ちょっと問題なんていうレベルでない程異常をきたしています。この人は刑事になってはいけない側だと思われ、ちょっと・・・いや、かなり関わりたくない人間です。
相方ハビエルは直情的すぎて危ない。顔つきも迫力があり、質問すら脅迫に聞こえます。正義感が強く行動力がある、と言えば刑事らしく聴こえるのですが、クセが強すぎてすぐ揉めます。OUTです。できるならば知り合いたくない人間です。
ヤバすぎて目が離せない
2人の刑事と1人の犯人、この3者の行動が読めません。なんせ全員変わり者というより異常者なので。そこに3人の”生活”にも焦点が当たると更にそれぞれの”ヤバさ”が伝わってきます。そしてこいつら、撃ち合う事もなく、じっくりと追い詰めたり追い詰められたり・・・先が気になる作りは秀逸!
スペインのミステリー映画で重苦しい雰囲気が続きます。しかし事件と登場人物の異常者が飽きさせません。特にハビエルは真っすぐで粗暴で繊細と属性多め。凶悪に見える彼ですが、俳優ロベルトはこの役で評価を受けゴヤ賞主演男優賞を受賞。本作ではヤバイ人ですが、ご本人はとても笑顔の素敵な良い男性ですので、本作以外では怖がらないであげてください。
コメント も、文句以外で・・・