キーラ・ナイトレイが美声!!
ボロボロのおじさんが見つけた「希望」
音楽プロデューサーのダンは妻と離婚し、月一回娘に会えることが唯一の楽しみとなっています。そんな彼は凄腕プロデューサーで、現在の勤め先は共同設立した音楽会社。と言ってもそれは昔の話、「経営方針のズレ」から共に会社を立ち上げたサウルに解雇され、それからはバーで無銭飲食・車は故障・昼間から酒浸りと落ちぶれていきます。
ある日地下鉄から降りた後フラフラとNYのライブハウスに入ります。「都会でひとりぼっちのあなたへ」と一言添えて女性が一人ギターを弾きながら歌い始めます。誰も聞いてないその歌にダンだけが笑顔を浮かべます。グレタと名乗るその女性の歌声にダンは夢中になります。ギター1本の演奏のはずが、頭の中でバンド音が聞こえてくるのです。彼女に何かを感じたダンはグレタをスカウトします。
「うた」の魅力が最大限に引き出されている
ライブハウスでの最初の1曲『A Step You Can’t Take Back』で引き込まれました。都会の孤独を切なく湿っぽい歌詞でグレタが歌い上げます。この綺麗な歌声に惹かれ「もっと聴きたい」と感じさせられます。僕にとってのはじまりのうたで、ここから期待よりも更に素晴らしい音楽が物語を飾ってくれました。
後日、ダンプロデュースでグレタが始動します。ここでダンの優秀さと音楽に対する構えが感じられました。「ゲリラレコーディング」を行うシーンがありますが、これが素敵。路地裏・ビルの屋上・道端と思いつきとも感じる場所で行います。更に自然音や近所の子供達の歌声まで入ってしまいますが、それもひっくるめて「音楽」としてレコーディングしていました。
音楽は平凡な景色を真珠に変える
グレタにも悲しい出来事があった後で、ダンもグレタもお互いに「最悪の日」に出会っています。しかし同時にこの日が「最高の始まり」になりました。傷ついた2人の出会いが音楽を生み出し、音楽を通じて癒されていきます。OPは湿っぽく孤独なスタートでしたが、徐々にポップで鮮やかな世界が広がっていきました。
歌手アダム・レヴィーンの歌声がぐっとくる。ハイトーンボイスでアレンジされながら歌う『Lost Stars』には、揺れながら変わっしまう心情が現れていました。そしてキーナ・ナイトレイの美声。この2人は「うたの力」で、不幸な出来事さえ美しい物に変えてしまいました。何の変哲もない風景を、好みの音楽を聴きながら歩いてみたくなる、そんなラストに拍手喝采!!!
⇑ 「コーダ あいのうた」も前を向かせてくれる名作
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