少女と空き巣
窃盗を繰り返す男、金田はこの日も空き巣の為、アパートに侵入します。その部屋で見つけたのは物陰で怯えている少女・鞠。育児放棄を受けている事を察した金田は過去の自分に重ねました。そして部屋から出て行きますが、頭から離れず食べ物を買って鞠の元に戻ります。
金田は知り合いの女を呼び出し鞠の世話を言いつけます。服を買い銭湯に連れて行くと、鞠の胸元にはアイロンの火傷跡が。その原因となった乱暴間男と鞠の母が帰ってきます。そして間男が再びアイロンをもって鞠に近ずくと、窓から金田が入ってくるのでした。
金田も被害者
乱暴・粗暴な金田は周囲を威圧して歩いています。それは幼少期の体験から、相手になめられないためでした。自暴自棄とも見えるこの態度に周囲は金田を避けます。助けてくれない世界で生きるために盗むのです。
この日金田が空き巣をしなければ鞠の存在を知ることはありませんでした。鞠を一目見た瞬間”守らなければいけない”という情が芽生えます。それは同情というより同調であり、ぶっきらぼうで粗暴な男が鞠にだけ心を開き自分を見せたのでした。
正解がない、誰にもわからない
古来から消えたことのない呪い”幼児虐待”。”ひとくず”は主要人物全員が虐待の輪に囚われています。「愛し方がわからない」これほど苦しい言葉も中々ない。と、考えてみましたが”愛し方”は僕もわかりませんでした。ただ誰かに漏らす程切羽詰まってないだけです。きっと皆そうなんじゃないかな・・・
動物は”守られるために可愛く”生まれてきます。その子供を守るという感情が、親心であり愛情と言い表されます。そうやって自然に出て来るはずの、情が抜け落ちた大人達の切ない物語。子供に育てられていく人間を映した本作は、苦く辛いのに目が離せないモノでした。・・・余談ですが昭和かな?と思ったのですがスマホ出て来るし、割と平成な物語だったと気づいたのがブログ書いてる最中でした・・・
※紹介作品はランダムであり、Hulu配信作品とは限りません。
コメント も、文句以外で・・・