超理不尽で怖かった・・・
善意で乗せた男はヤバかった
シカゴからカリフォルニアへ車を運送しているジム。延々と続く砂漠地帯にウトウトしていまい、危うくトラックと衝突するところ。眠気覚ましが欲しいと思っていると土砂降りの雨が降り散々な目に合っています。視界も遮られる豪雨の中、一人の男がサムアップして立っていました。豪雨ということもあり、善意で車に乗せるのですがジョン・ライダーと名乗るこの男、どこか様子が不気味でした。
走行中に道端に停止している車両を見つけたジムは近づこうとしますが、ジョンに止められます何故か質問するとジョンは「あの車の運転手の両脚を切った。両手も首もな。お前も同じようになる。」とナイフを取り出します。恐怖に震えながらもジョンを車から突き落とし走り去ったジム。翌日は旅行中と見られる家族を見かけると、可愛い子供達に手を振り気分の良いドライブでした。しかしその子供の横にはジョンの姿が・・・そして走り去った家族の車が道の端で止まっていました。ジムは恐る恐る近寄り車内を覗くと、そこには・・・
イカレすぎてる
スリリングホラーとはまさにこの作品の事。これほど生きている人間が怖い・危ないと感じさせる映画は珍しい(エスター・ミザリーともちょっと違う)もの。今まで見てきたサイコパス系でも上位に食い込むイカレ具合でした。1980年代は狂った殺人作品が豊富な時代でしたが、本作は”理由がない・容赦がない・慈悲がない”と3拍子揃った名作でした。
こんな人間と対峙すると、殴り返すことすら恐ろしくなります。この辺りの描写が秀逸で、実際に同じ目に合ってもジムのように怯えて身動きが出来なくなるでしょう。この安全装置が完全に外れている殺人鬼ジョン・ライダーは、異常な行動と心理状態でジムに迫っていきます。本当にこえええ!
ルトガー・ハウアーは超一流
ジョン・ライダー役にルトガーは抜群のはまり役。動き・目・声・笑顔と全てが恐怖の対象でした。そしてこの方、「北斗の拳」”ラオウ”のモデルとして知られる方で、本作でも覇王の気質を感じます。作中ではこんな感じですが、ご本人はとても気さくで良い方。環境保護やエイズ研究所設立といった社会貢献に尽くした人物です。
なんの救いもない悪党作品で、”過去になにかしらあったからこうなった”なんて理由・言い訳は一切ありません。単なる殺人鬼のお遊びに付き合わされた一般青年の悲惨な物語で、この作品を観た後は全員意見が一致するでしょう。”何があってもヒッチハイクには対応しない・・・”と。
コメント も、文句以外で・・・