心理サスペンス・ホラーの感覚
割の良すぎるアルバイト
フリーターの結城理久彦は割の良い仕事を探して求人雑誌を立ち読みしています。そこに突然諏訪名祥子と名乗る女性が話しかけてきました。祥子は携帯電話に表示された”時給11万2千円で期間7日間・心理学の研究”のアルバイトについて「怪しいでしょうかね?」と聞いて来ます。あからさまに怪しい内容ですが、その金額と祥子の美しさに惹かれ一緒に応募してしまいました。
アルバイト当日、10名の参加者が集まっており山中の建物に案内されます。そして最初の指示が”全ての荷物を預ける、何も質問しない、非倫理的な出来事が起こっても構わない方だけが先に進むように”でした。奥にはテーブルと食事が置かれ、参加者は自己紹介を行います。すると周囲に置かれている”インディアン人形”が「施設内部にはロボットが巡回しており、22時以降に自室から出ている所を見つかると排除を行う。何かしら事件が起きたら”探偵を任命”し、犯人は多数決で決める。犯人に指名されたものは排除される。7日間の経過もしくは生存者が2名になった場合アルバイトが終了となる。」とルールを告げるのでした。
10人のインディアン人形
”体”ではなく”人”で数える理由は”人形数と人間数の連携”がされているからです。これは童謡”10人のインディアン”を題材に作られた、”アガサ・クリスティ”の「そして誰もいなくなった」の意趣を取り入れたモノです。”インシテミル”自体色々な作品を取り入れているのですが、このインディアン人形が一番発見しやすくなっています。
童謡歌詞を簡単に説明すると、”10人のインディアンが食事に出かけた先で喉を詰まらす・旅先で一人残される・斧で自分を切る・蜂に刺される・裁判にかけられる・海で魚に襲われる・熊に抱きしめられる・太陽に焼かれる・首を吊る”という恐ろしい歌。後年で色々問題視された歌詞ですが”アガサ”のおかげでミステリ好きの中では評価が上がったとか・・・そうでもないとか・・・
原作とは別作品
映画化にありがちなお察し作品。人物設定が大きく変更されており、全員の性格が変更されているので状況証拠の確認・かけひきが雑になっています。キャッチコピー”究極の心理戦”が薄れており、原作評価から見ると半分以下という低評価をつけられた映画となりました。
小説は”本格ミステリ”として完成度が高いモノでした。映画版は心理ホラーで、豪華俳優陣の濃いキャラクターで観るものを圧倒していく印象。謎解きではなく、サスペンスとしては楽しめました。僕は”作中で藤原竜也が叫ぶ”シーンがあれば評価3は超えてしまうので怪しいですかね。
⇑ 藤原竜也は”絶叫俳優”
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コメント も、文句以外で・・・