ペニー役が凄すぎる
溝の奥
1988年の10月、アメリカの小さな町デリーでの出来事。13歳の少年ビルは7歳の弟ジョージーに紙製のボートを作ってあげます。濡れても良いようにワックスを塗りボートを渡すと、ジョージーは黄色いレインコートを着いて外の水たまりに浮かべに行きます。雨風の強い日だったため、想像以上に早い速度でボートは進み排水口に落ちてしまいました。慌てて覗き込んだ排水口の奥には青い目が見えます。
よく見ると排水口の目はピエロの目でした。ペニーワイズと名乗るこのピエロ、不気味に見えますが口上手でジョージーは警戒を解きます。そして「ボートはここにあるよ。返して欲しかったら、手をお出し。」と話しかけます。恐る恐るジョージーが手を伸ばすとペニーワイズが変貌し腕を食い千切りました。そして泣き叫ぶジョージーを排水口の中に引きずり込むのでした。
・・・ジョージー失踪の翌年6月、ビルは友達を巻き込みながら今もジョージーを探しているのでした。
ペニーワイズを演じたビル・スカルスガルドがヤバイ
1972年に本当に存在していた殺人鬼ジョン・ウェイン・ゲイシーが元ネタの、シリアルキラー物だと思い込んで鑑賞に踏み切ったのですが、全く別物でした。ピエロの恰好で少年殺害を繰り返した、というのは参考にしているかもしれませんが、ペニーワイズはもっと”嫌な存在”です。そんなペニーを演じたビル・スカルガルドですが、彼も特異な方でした。
冒頭から青い目と大きく下に唇が伸びた笑顔、そして両目が別方向に動くというペニーの不気味な”表情”。なんとこの両目の動きや唇の形はCGではありません。元々目を自由に動かせるとかで、唇の形も「いつか使ってみたいと思っていた」と話してます。冒頭の表情は素の演技で魅せていたと知って本編を見ると、”おぅふ”と唸ってしまうこと間違いなしの顔でした。
何度か目を細めてしまった・・・
シリアルキラー物は好きなのですが、ホラー(幽霊系)はとても苦手です。勘違いして観た本作は何度も”もう無理”と思いましたが、なんともいえないペニーの魅力から目が離せませんでした。不気味な表情とコミカルな動きが途中リタイヤを許してくれません。正直ペニーワイズという存在以外は、びっくりはするけど怖くはありませんでした。
このペニーは”都市伝説”な存在で、子供の持つトラウマを弄ぶ不愉快な存在でした。ピエロが恐怖の対象として描かれた”IT”は、現実でも多くの子供達にトラウマを与え”ピエロ恐怖症”を蔓延させました。しかしこうやって噂され、恐怖する事で益々力を付けてしまいます。”子供達のトラウマを無くすこと”こそがペニーを消し去る手段なのです。と思っていますが、大人(おっさん)も怖がる本作。どうやらペニーはまだまだ消えそうにありません。
⇑ こちらも世に有名なカリスマピエロ・・・
コメント も、文句以外で・・・