イタリアコメディは面白い!
学者仲間を集める目的は?
神経生物学者のピエトロ・ズィンニは大学では研究員、自宅では家庭教師をしています。この日は同居している恋人ジュリアに急かされ、生徒たちから授業料を徴収しようとします。しかし全く払う気のない生徒たち。結局授業料はもらえず、気落ちしながら向かった大学では教授から「残念な知らせと悪い知らせがある」と呼び出され、研究予算の打ち切りと給与も出なくなる事を告げられました。
ジュリアにクビになったとは言い出せず、予算も通り月1800ユーロになるだろうと嘘をつきます。ピエトロがお金を工面しようとしていると、偶然生徒の一人が高級車に乗っている姿を目撃。追いかけすぎて喉が渇いたピエトロは、生徒からドリンクをもらい飲み干し気絶します。ドラッグ入りのドリンクを飲まされた事に気付くと同時に原価2ユーロのドラッグが100ユーロで売られている事に衝撃を受けます。そしてピエトロは合法ドラッグ作製のため仲間を集め始めるのでした・・・
メンバー全員が学者らしくない生活
ピエトロ・ズィンニ(エドナルド・レオ):メンバーのリーダーで神経生物学者。現在は大学研究員はクビ。家庭教師も廃業。合法ドラッグ作りを目論むトンデモ教授。
アルベルト・ペトレッリ(ステファノ・フレージ):ピエトロの参謀役で計算化学者。中華料理屋で皿洗いをしており、現在の生活に不満だらけ。
マッティア・アルジェリ(ヴァリレオ・アプレア):解釈論的記号学者だが今はガソリンスタンドで給油係をしている。
アルトゥーロ・フランティー二(パオロ・カラブレージ):古典考古学者として古代ローマの都市設計に携わっている。
バルトロメオ・ボネッリ(リデロ・デ・リエンツォ):マクロ経済学者でギャンブル依存症。現在はヒモ生活に甘えている。
ジョルジョ・シロー二(ロレンツォ・ラビア):ラテン碑銘学者でマッティアと一緒にガソリンスタンド給油係をしている。
アンドレア・デ・サンクティス(ピエトロ・セルモンティ):文化人類学者としてどんな人物にもなりきる事ができるという特技をもつ。
この7人の危ない教授たちが、いかにも失敗しそうな作戦なのに上手く立ち回ります。教授として小難しい単語が流暢に出てきますが、行動が子供じみてて笑ってしまいます。「儲けるから合法ドラッグを作ろうぜ!」「やろう!」というノリがとても好きでした。
学者を続けれないイタリア社会への風刺
本作登場の教授・学者たちは2007年から始まった欧州危機と呼ばれるグローバル金融・経済崩壊の犠牲者たちです。研究や学術に資金を割かなくなったイタリアで、生きていくために皿洗いをしガソリンスタンドで働いていました。全体にこの背景が盛りこまれている作品で、コミカルながらもリアルな問題を感じました。
しかしこの教授達はある意味純粋。ドラッグ売買時にギャングを結成するのですが、これがとても嬉しそう。全員が興奮すると早口になったりする事と合わせてみると、オタク気質・中二病患者なメンバーなのでしょう。合わせて来る音楽も良く、あっという間に時間が過ぎました。本編を見て笑ってください「ソウスリャ ナンデモ キープ イット グリージー」
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