これがワンカットって凄い!!
ゾンビ映画を作ろう
とある山奥で行われている「ワンカット」撮影。内容はゾンビ物で日暮監督には強いこだわりがあります。そのためヒロインがゾンビに襲われるシーンについて「真剣味が足りない」という指摘が繰り返され、TAKE42まで起こなわれ未だOKが出ません。落ち込むヒロイン役松本逢花をメイク担当が励まします。
気を紛らすためにメイク担当は、ここは昔政府が死者を蘇らす実験を行っていた場所という。少し気が紛れたと思ったその時、扉を強くたたく音が響いてきました。扉が開かれると助監督とカメラマンがゾンビとなり襲ってくるのです。そんな折でも監督は「本物の表情が撮れる」とカメラを手に撮影を続けます。録音係も噛まれゾンビ化が始まり、混沌とした世界に陥っていくのでした。
日暮監督の人情ドラマ
監督の日暮隆之は早い安い質はそこそこな仕事が得意です。普段はカラオケの背景や再現ドラマの撮影が主な仕事ですが、今回はゾンビ映画専門チャンネル「ゾンビ・チャンネル」の開局記念企画であるゾンビドラマを依頼されました。そしてゾンビ物としては前例がない「30分生中継一本撮り」を請け負ったのです。少し面倒な今回の仕事、請け負ったのには理由がありました。
娘の日暮真央は父同様に映像関係の職を希望しています。父の作品を「妥協ばかり」と感じています。父の作品に興味のない真央ですが、今回の撮影は好きな俳優が出るということで興味を持ちます。そして隆之もその娘の気を引くために、一度断ったこの依頼を受け興味を惹こうとする、まさに親の心という設定。ここも本作では重要部分です。
撮影はB級ゾンビですが、本作はA級!最後まで見て!
ゾンビ撮影からゾンビ襲来シーンはB級感の塊です(褒めてます)。そして親子ドラマや人間関係、監督の撮影に対する執着心などが絡み、今まで「安い・早い・質そこそこ」の妥協作品を連発してきたとは思えない熱心ぶりを見せ、そして情熱溢れる娘が手を貸した時「名作」が生まれます。ここまで来てもB級感満載ですが。
この作品は何を言ってもとにかく「最後まで見る」です。間違いなく安い・早い・そこそこなのですが、最後まで観た方の3割は見返したのではないでしょうか。大どんでん返し、というよりも着目点やアイデアが満点でした。序盤で眠くてウトウトしても大丈夫ですので、とにかく「視聴を止めるな!」。
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