本格俳優の本気コメディが熱い!
無事に迎えた2022年
1999年、ノストラダムスの大予言にて”戦争・隕石落下”という世界の滅びに立ち向かうため、人里離れた孤島で殺人拳を極める少年たち。しかし2022年、終末は訪れず師範は弟子たちに解散を宣言。弟子のひとりである勝平は信じられない気持ちを胸に、袖なしジージャンと超短パンを装備して東京渋谷に訪れたのでした。
少年時代から修行一筋の勝平は渋谷で運命の出会いを果たします。それは不良に絡まれていた大学生を助け、お礼にと誘われた”花見”での出来事。その席に現われた女子大生山瀬ハルに一目ぼれ。女性を見る事すら出来なかった勝平にとって、それは風呂場の水も蒸発する程衝撃的な出会いになります。そんなある種、幸せな時間を送る勝平ですが同じ殺人拳の使い手、守が「俺たちの手で終末を起こしてやろうぜ」と誘ってきます。恋か仲間か、勝平の出したその答えが世界を変える!???
安心して下さい、俳優陣が本気でふざけてるだけです
伊東英明、上白石萌歌、大貫勇輔、山本耕史、小澤征悦、古田新太と演技派俳優を勢ぞろいさせた”勿体ない起用が面白い”という真剣コメディ。古田新太は元々コメディ色強いのですが、山本耕史は”盗んだバイクで走り出す”上に自ケツ叩きまで披露。小澤征悦もダンスしたりストーカーっぽかったりと白熱した演技を見せます。
しかし何より伊藤英明の”男っぷり”が素晴らしい。ワイルドな姿で降臨しただけでなく、発言も行動もワイルド。”悪の教典”の伊藤英明はここにはいませんでした。このメンバーが殺人拳の使い手を演じていますが、引くぐらいバカな事やっています。技巧派俳優を揃えた本作の見どころの一つとして、このメンバーがどこまで役に入り込めるのか、が心配でしたが全員完璧で引きました。
終末は来ないし、少年には戻れない
”終末”のために生きた彼らは、既に世間から大きくズレていました。違う世界に放り込まれた感覚で、戸惑いしかない彼らには生き辛い場所のはずです。しかし少しずつ順応していく彼らの姿が胸を熱く・・・しませんね。とりあえず全員、島から東京に来た時は”変質者”だったので、服装が人間らしくなっただけでも安心しました。
ひとつの事に夢中になった結果こんな事に・・・しかも地球を救う為に頑張ってきたメンバーというのが切ない。失った時間は取り戻せないと痛感したのですが、しかし彼らは前向きで”強さ”を持っていました。と、良い話にしようとしましたがそんな感動作品ではありません。単純に無心で笑える作品として久しぶりのHIT。救済ラストといい、最後までハチャメチャで”完成”されていました。

⇑ 「翔んで埼玉」も無心で観よう

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