壊れている・・・
”あの事件”に真相はあるのか?
盲目の女性・吉岡亜希子を監禁した上に焼死させた事件。犯人と噂されたのは現場に居たカメラマンの木原坂雄大。しかし殺人の証拠はなく「彼女は自分の意思であそこにいた」と雄大が証言していることで執行猶予付きの判決が出ています。この事件を記事にして自分の力を試したいというルポライター耶雲恭介が、記事をとある週刊誌に持ち込みます。
ベテラン編集者の小林良樹が担当につきますが、あまり乗り気ではありません。しかし耶雲から「女性が燃えているところを撮った写真がある」という話が出てきます。しかしあくまで噂であり、実物がない事で小林は興味を示しません。諦めきれない耶雲は木原坂に接近し彼の過去から事件を追っていくのでした・・・
木原坂の情報が濃すぎる
耶雲が探った周辺の情報として、姉がいて2人共に父から虐待を受けていた、と思われる。その父は2人が幼い既に刺殺されており、この姉弟に疑いがかかっていた。2人は昔から仲が良く、というよりも恋人に見える程親密な繋がりを持っていた。雄大の写真は抽象的な芸術作品。
なんだろう・・・要素が揃いすぎてて・・・男前で社交性もあるので、まごうことなきサイコパス・・・発言や行動からも”芸術のために人を殺す”かもしれない人物です。壊れててもおかしくない・・・あれ?姉は普通なの・・・?そんなわけありません。この環境なら壊れる事が自然なのかも知れません。
普通でいられなくなる時はいつですか?
生まれた時からサイコパス。実はそんなケースは少ないのでは・・・。幼少期の虐待なんかは大きな要因になるとして、他にも恋愛している最中や望まぬ別れ。何にせよ”対人関係”によって人は狂うのではないでしょうか。本作はそんな人間の脆さと恐ろしさを語っていました。
いや、ほんとに良い?ストーリー。”狂っている”というより”壊れている”という表現がドンピシャ。切なさと残酷さが美しくもあるラストは僕にとってはグッドエンディング。逮捕されなかった人間を裁きたいなら、この作品は教科書です。満足しましたわぁ・・・



コメント も、文句以外で・・・