誰かと比べる事はないんですよ
夏休みに少年が過ごした7日間
7日間の夏休みをオランダ北部の島で家族と過ごすことになった少年サム。11歳の彼が今一番気になる事は「最後の一人になった恐竜は寂しかったのか」でした。そしてサムは恐竜の気持ちを自身に照らし合わせ、”一人になったときのため”に孤独に耐える特訓を始め出しました。
そんな悩みを抱きながらも島での生活を楽しむサムの前に現われたのは少女テス。1つ年上で12歳の彼女は行動・言動が自由奔放。しかしそんなテスにも大きな悩みがありました。そのテスの悩みにサムは巻き込まれながらもテスの悩みを解決するために行動します。この少年・少女は7日間で何を見つけていくのでしょうか・・・。
”死””孤独”について考えるお年頃
”人はいつ死ぬのか、家族がいなくなったら”というのは8~12歳間で自然に考え悩むそうです。全く覚えていませんが、恐らく僕も通った道。多感な時期ということもあって、想像・妄想が膨らむのでしょう。逆に歳を取ってからは違う見方ですが”死”を想像してしまいます。そう思うとこの思考は”子供返り”なのですね。
そんなサムの悩み解決方法は”孤独に慣れるために1日数時間完全に独りになる時間を作る”という、なんとも可愛らしく拗らせたエピソード。そこに別の悩みを持つテスが現れ、”人を避けて生きる事は難しい”と悟ります。そんなお互いに助けあう2人の様子は、成長期の少年・少女の物語である事を強く印象付けました。
同じ人間はいない
キャラクターそれぞれの特性付けをしている作品ですが、その中でもサムとテスの2人は間違いなく”変わり者”でした。しかしそれは”感性”であり、”人と違う事が普通だよ”と教えられます。独りになろうとするサムと家族を求めるテスですが、全く違う悩みでも実は望んでいるゴールは同じだったいう作りは巧妙でした。
美しい景色・温かみのある音楽・優しい人々と”包容力”に溢れた作品です。邦題はアレですが原題は”My Extraordinary Summer with Tess”でテスと過ごしたちょっと変わった夏、という感じ。少年・少女のちょっと甘めなひと夏作品。2人が望んだ結末は何か?と望んだ結末になったのか?そこはお楽しみです。
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