魔法は成長の補助
ハチャメチャな子供達
セドリック・ブラウンは奥さんを亡くし仕事で忙しいため、7人の子供達に構う事ができません。子供たちのために乳母を雇うのですが、悪戯が酷すぎて誰が来ても長くもちません。新たに乳母紹介所に行くも断られ、途方に暮れているセドリックに「あなたに必要な乳母はマクフィーよ。」と誰かが語りかけてきます。「是非お願いします。」と答えますが、その後は何の返答もありませんでした。
その頃子供達は、乳母を追い出した罰に夕食抜きの刑。お腹が空いた子供たちはキッチンを占領し暴れ回り、メイドのエヴァンジェリンを困らせます。そこにマクフィーが現れました。そして暴れる子供達の前に姿を見せ説得を始めますが、誰も言う事を聞きません。そしてマクフィーは手に持つ杖で地面を”トン”と突きます。すると不思議なことが・・・
魔法が大活躍するわけではない
マクフィーの魔法の使い方はとても素敵です。何でも解決するのではなく、子供達に”考える事”や”今必要な事”を教えるために杖を振るいます。時に厳しく、しかし常に優しいこの魔女は理想的な乳母で教師です。”魔法の力ではなくあなたの力よ”と話す彼女の姿は魔女ではなく聖女でした。
本作の脚本を担当したエマ・トンプソンはジト目のマクフィーを演じています。魔法よりも言葉の力が強いこの役は、やはり重鎮のオーラが必要で、ハマり役でした。そしてセドリック役はTHE紳士のコリン・ファース。今回はアットホームパパとして子供達に翻弄される可愛い姿を堪能を魅せていました。
物語の主人公は自分自身
セドリックは子供達に遠慮しており、メイドのエヴァンジェリンへの想いを後回しにしていました。両片思いというヤツで、特にエヴァンジェリンは自分に”教養がない”ことを気にしていました。字が読めない自分に嫌気が刺しているエヴァンジェリンに「物語の結末はあなたよ。」と声を掛けるマクフィー。とても素敵な台詞でした。
魔法を駆使しない魔女はブラウン家の全員を”主人公”にしています。この事を誰より一番喜んだのは奥さんだと考えると、ブラウン家に幸福をもたらすために母親が派遣した天使だったのではないでしょうか。不思議な力と魅力をもつマクフィーの次の活躍も楽しみです。
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