ジリジリゾクゾクする映画です
ベストセラーと熱烈なファン
ポール・シェルダンの書く小説”ミザリー”はベストセラーにもなった人気シリーズ。ポールは新作”高速自動車”を書き上げ、ミザリーシリーズにピリオドを打とうと考えています。原稿を傍らに車を走らせますが、突然の猛吹雪に見舞われ崖から転落していまいます。身動きが取れず、重症となったポールは通りがかった女性アニー・ウィルクスに助けられました。
元看護士であるアニーはポールを自宅に運ぶと治療を始めます。”ミザリーシリーズ”の熱狂的ファンであるアニーは、幸せの境地といわんばかりに身の回りのお世話も行います。しかしアニーは”最終話の結末”に不満があり「結末に納得できないわ。続編を書き下ろしなさい。」と強要を始めます。ここからアニーの異常性が露わになってきます。

圧巻!キャシー・ベイツが作品のキモ
登場時は笑顔がよく似合う人の良さそうなおばちゃんでした。ミザリーの著者であるポールと会えたことを心から喜んでいます。お世話を嫌がる様子はなく、喜々として行う姿には好感すら覚えます。そして徐々に本性が出てくるのですが、最初は”ちょっとカンシャク持ちかあ・・・”と観ていました。
この”徐々に出て来る”という演技が大迫力。顔つき・目つきが変化し、言動・行動までおかしくなっていく様子が”あっぱれ”です。”執着する”とはこういうことだと教えて頂きました。本作はキャシー・ベイツの演技如何で評価が変わった作品。見事にキャスト採用が成功した作品の一つです。
アニーはサイコパス
作品の見どころはアニーは感情的・衝動的でありながら、目的をしっかり持って計画的に行動している部分です。動けないポールに対して彼女は、自分の意のままに操るための行動をとっていました。それは冷静で冷酷、そして自分の正義(欲)の為には流血を厭わないサイコパスに当てはまります。
観る側としてはポール視点になりますが、滅茶苦茶絶望的です。”明日はどうなるんだ・・・”と心配になってしまう状況です。アニーの方は傷つける事は平気ですが、治療はするし心配もします。この塩梅がミステリアスな雰囲気を強め、視聴者の恐怖を煽り目が離せなくさせます。本当に生きてる人間が一番恐ろしい・・・

⇑ こちらは善人キャシー・ベイツ出演作品



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