衝撃の実話
9.11の首謀者
2002年にアメリカ同時多発テロ首謀者の1人として拘束されたモハメドゥ・スラヒ。裁判が行われないままグアンタナモ米軍基地(キューバ)に送られ4年が経っています。そんなモハメドゥの存在をしった弁護士ナンシー・ホランダーは、”不当な拘束ではないか”と疑問をもちモハメドゥの弁護を担当します。
ナンシーは後輩テリーとグアンタナモに向かいます。基地では厳重な警備の上、モハメドゥは手足に枷をつけられ2人に警戒して怯えている様子でした。少しずつ信用を築き会話が出来出したころ、9.11のテロリストに対して順次死刑にしていく決定が下されます。司法手続きもなく尋問・拷問が行われた証拠を求めて軍の調査資料を請求したナンシーですが、送られてきた資料はほとんど”黒く塗り潰されて”いたのでした。
グアンタナモ米軍基地での地獄の日々
モハメドゥは2002年8月にグアンタナモに送られ、アルカイダに関する重要人物として激しい拷問を受けることになります。24時間の監視は勿論、生きるための活動(食事や睡眠に至るまで)全て自由と権利を奪われてしまいます。そして拷問内容は想像だけでも苦しい内容でした・・・
収容所での尋問(という名の拷問)は怒鳴り声から始まります。睡眠時間を奪った状態で怒号と顔・背中を殴り、頭が回らなくなった頃に壁一面に貼り出された写真を見せ”人物名を教えろ”と強要し更に注射を打ちます。水攻め・音攻め・人質・脅迫と、映画で観ただけでもおぞましいのに、実際はもっと酷かったようです。
とにかく”犯人”を捕まえたいアメリカ政府
アルカイダとの繋がりがないモハメドゥですが、”いとこ”がビンラディンの衛星電話を使用した通話記録がありました。しかし当然それだけでは”証拠”にはなりません(本人じゃないし)。そこで”拷問による証言”を取ります。もちろん証拠にならないのですが、そこは政府のゴリ押し。その理由は”アメリカはアルカイダを壊滅させた”と発表するためでした。功を急いだ挙句の愚かな行動がこのモハメドゥのような被害者を生みました。
ナンシー役はジョディ・フォスター、そして対するアメリカ軍弁護士スチュアート役にベネディクト・カンバーバッチと贅沢な起用で訴えてきた本作。実話を基にした映画は俳優陣の実力が問われますが、全く心配ない作品。真に迫る演技で”こんな事、あってはいけない!”と伝えてきました。9.11の影は未だに癒える事なく被害者を増やしています。本作はテロ許すまじを世界共通と認識して、世界で協力していきたい事案だと再認識できる名作です。
コメント も、文句以外で・・・