OLの実話等身大作品
小説家志望といえばニューヨーク
”特別な存在”になりたいと願うジョアンナは、友人の住むニューヨークを訪れ一念発起します。西海岸で帰りを待つ恋人とも距離を取り、そのまま友人宅に居座り”作家”を目指し始めました。そして秋、とある老舗エージェンシーでアシスタントとして採用されました。そしてこの出版社には、あのJ・Dサリンジャーのおかかえなのでした。
サリンジャーの名前に興奮するジョアンナですが、上司マーガレットは「何があってもジュリー(サリンジャー)の連絡先を教えてはダメ。」と厳しく忠告します。それでもジョアンナは書店で知り合った同じく小説家志望ドンと交際を始めたりと、新たな人生に意気揚々。仕事に恋に、そして夢へと躍動する・・・予定なのですが・・・
サリンジャー宛てのファンレターが濃い
ジョアンナの主な仕事はサリンジャー宛てのファンレターに対し、定型文で返信する事でした。熱量の高いレターが多く、とある青年は”自分とホールデン(ライムギ畑で捕まえての主人公)はそっくりなんだ”と送ってきます。退役軍人や娘を亡くした母親、そして女学生からは「サリンジャーが返信をくれたらA評価をもらえるんです。どうか返信をください。」という変なものまで。しかしこの仕事にジョアンナは疑問を持ちます。
あまりに真剣に訴えて来るレターばかりで、真面目な人は”こんな定型文ではいけない”と考え込んでしまう内容です。初めて就職した際にはこんな疑問ってありますよね。長年仕事に携わっていればわかるのですが、”何事にも理由”があります。そんな普通のOLジョアンナですが、自身の夢の活動はというと・・・?
”小説のことだけ”考えれるのか
作中で女性作家が”恋人も生活も青春も全部小説に捧げないと良い作品は書けない”と話します。サリンジャーも執筆のために閉じ籠った、とも言われています。そんな世界に飛び込もうとするジョアンナですが、やっぱり時間に追われていきます。彼女はどれくらい小説に捧げていくのでしょうか。
この”小説家志望症候群”は今も昔も存在する症状。何故だか”書けるんじゃね?”と思ってしまうんですよね。いや、そんな、覚えがある訳じゃないですが。。。そんなごく普通の夢見るOLが選択した未来・人生とは。まるで先輩から聞く”人生って色々あるんだよ”的な作品でした。
コメント も、文句以外で・・・