冴えない2人っていいなあ
”アメリア”という女性
1977年アメリカ・ロサンゼルスで私立探偵をしているシングルファーザーのマーチ。仕事の依頼で”アメリア”という女性の捜索を行っています。手掛かりであるバーの閉店後にガラスを割って侵入しようとしますが、手首を切ってしまい出血多量で救急車に運ばれるという騒ぎになってしまいます。そんな彼の元にアメリア関係の訪問客がやってきました。
マーチの元に現われたのは示談屋ヒーリー。出会い頭にいきなり顔面を殴りつけ「アメリアを探すな」と告げ、更に左腕を折ってしまいます。仕事をこなしたヒーリーですが、帰宅した所を2人組に襲われ「アメリアを知っているだろう」と問い詰められます。無事に逃げ出せたヒーリーですが、アメリアの事が心配になります。そして同じくアメリアを探していた探偵マーチの元へ再び赴き、「お前を雇う。アメリアを探してくれ。」と依頼するのでした。
ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングのダブル主演
僕の中でラッセル・クロウといえば「ビューティフル・マインド」です。天才でありながら統合失調症という陰のある役をしたラッセルが今回は暴力おやじに・・・。「アオラレ」でも感じたのですが、なんだか短気な役が似合う雰囲気になりましたね。
対するはライアン・ゴズリング。「きみに読む物語」や「ラブ・アゲイン」、それに本作と同年に「ラ・ラ・ランド」で御馴染みの2枚目俳優です。そんな彼がパッとしない探偵役。面白いやんか。2人共に幅の広い俳優である事がよくわかる作品になっていました。
題名とは程遠い登場をした2人
この2人のバディ物なら”かっこいい”に違いない。事前に情報を仕入れないスタイルの僕が期待したこの想いを最初から否定されました。登場初っ端からキレてるラッセルに、ガラスを割ったら自分を切ってたライアン。”あ、こういうコメディなんだね”と気持ちを切り替えて臨みました。するとどうでしょう、とても面白い。王道なドタバタコメディを名優ダブルキャストで作るとこうなるんですね。
下卑たギャグと古めかしいワチャワチャ感を強く推してくる本作ですが、きちんと”社会風刺”がされていました。大気汚染・オイルショックにより”自動車”に関する問題が大きくなったのがこの70年代。当時自動車大国だったアメリカへの風刺をピリッと効かせてくる辺りはシェーン・ブラック監督の妙です。そして最後までバタバタな2人が、ラストでちょっとだけ”ナイス・ガイズ”になりますのでご期待あれ。
⇑ 笑えるけどナイスガイズなバディ物「コードネームUNCLE」
コメント も、文句以外で・・・