名探偵はクセが強い
名探偵の傍で事件は起きる
イスタンブールでの事件を片付けるやいなや、次の依頼が舞い込んでくる私立探偵エルキュール・ポワロ。次はロンドンへ向かう事になりますが、この真冬にしては珍しく一等寝台車が満員。困っているポワロに声を掛けたのはオリエント急行を所有している友人ビアンキ。おかげでポワロは急行寝台車でロンドンに向かえます。
相部屋になったのはアメリカ大富豪のラチェット。ポワロの事を知る彼は「命を狙われているんだ。助けてくれないか。」と相談します。しかしポワロは興味を示すことなく断りました。出発して2日目の夜、豪雪のためバルカン半島内で停車することになりました。そして明けた翌日、ラチェットは計12回刺され、そのうち3回が致命傷となり死体で発見されます。被害者のポケットにある”止まった時計”と”乗客達の行動・態度”からポワロは推理を始めるのでした。
名探偵ポワロ
アガサ・クリスティの推理小説の主人公で架空の人物、名探偵エルキュール・ポワロ。ベルギー生まれの小男で跳ね上がった口ひげが特徴的な彼は、元警官で署長まで登り詰めた人物。退職後に第一次大戦の影響でイギリスに亡命し、そこで再会した友人と殺人事件を解決します。このことがきっかけとなり”私立探偵”として活動を始めました。
よく”シャーロック・ホームズ”と比較されていますが、2人共に共通していることは「仕事は選ぶ」というスタイル。興味がない時は思惑あっさり断ってしまいます。名探偵故の仕様なのでしょう。明確な違いは推理スタイルで、ポワロは”秩序と方法”を重要視しており生真面目です。特に聞き取りでは質問に対しての返答はほぼ聞いておらず、顔色から反応を頭の先からつま先まで観察するという、ねっちこい手法です。口ひげと相まって本当にいやらしい・・・
1974年版をお勧めしてます
古い方(1974年版)をお勧めの理由は”小説で読んだねちっこいポワロそのもの”という1点です。傲慢で嫌味たっぷり、会話もねっちこいポワロはイケメンじゃいけません。髭の角度を気にして丁寧に整える姿なんてまさに想像通りでした。ポワロ役にアルバート・フィニーを抜擢したというキャスト眼の勝利です。
「名探偵コナン」でアガサ・クリティー=阿笠博士、コナンの近所の喫茶店の名前が「ポワロ」という事で再注目されました。古い作品が次世代に受け継がれていくのは嬉しいですね。このポワロとシャーロックは共に現代推理小説の基盤になっており、探偵物作品では大体複数回ネタが応用されています。推理物が好きなら見逃せない作品の一つです。
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