がんばれ中年!
最強の武闘家トリオ!…の30年後
シフ・チャンの元でカンフーを習う青年ダニー、ヒング、ジム。才能豊かなで若いこの3人は無敵のスリー・タイガースと名乗り数々の強敵と戦い勝利しています。特にダニーはシフの跡継ぎに選ばれる程の腕前。しかし年若いこの3人は、カンフーよりも夢を追って都会へ向かうのでした。
それから30年、ダニーも年を取りバツイチのおじさん。息子との時間が一番の喜びですが、仕事に追われてぎくしゃくしています。武道家としての心も体も失ったころ、師匠の訃報を耳にします。そして再開したスリー・タイガース(中年)は師匠の死が”殺人”であることを確信するのでした。
年を取る、ということ
ダニーはごく普通のおじさんに、ヒングは太っちょで足を引きずっています。ジムだけが唯一武道を続けていますが、全盛期と比較するレベルではありません。キレていないカンフー(?)はとても泥臭いモノです。日ごろの不摂生は蓄積する・・・というメッセージが・・・辛い・・・
しかしこれが現実。速さに目は追いつかないし、五感は鈍っているし、なんなら足も上がらない。腕力はともかくとして、瞬発力という部類の動き(ジャンプとか)は壊滅状態になっていくのです(体験談)。そして本当に鈍る・錆びていくのは肉体ではないのですよ・・・
夢と希望を通り過ぎて
想像と違った未来に慣れてしまったダニー。少しだけ武道に関わっている2人よりも”闘うこと”から離れています。だから争いを避けるふりをして逃げています。”若くない・体が重い・息が切れる”と自分を嘆くダニーですが、実は嘆いているのは肉体面ではなく精神面、心の部分でした。。
がんばれ中年!という本作。過去から逃げた先にあったのはごく普通の生活。不幸ではないけれど、何処かに何かを置いてきてしまった感覚。・・・わかるわぁ・・・カンフー映画というより共感誘うヒューマンコメディ。年を重ねて変わるモノとかわらないモノ、それぞれを受け入れて人生は続く。・・・という壮大なテーマがあるような、ないようなそんな作品。
コメント も、文句以外で・・・