口が悪くても性格が悪いとは限りませんよ
初めて会う「おじいちゃん」
パリで暮らすアドリアン、レア、テオの3兄弟は母親の都合で、夏休みの2か月間を母方の実家であるプロヴァンスで過ごすことになります。母親は「17歳で妊娠した」ことでポールと衝突し、それから17年間一度も実家に帰っておらず、3兄弟も祖父ポールと会った事はありません。祖母イレーネは時々会っていたため、今回は一緒に帰省することになりました。
しかし頑固なポールに孫を連れて帰る事は話しておらず、駅まで迎えにきたポールはいきなり3人の孫と初対面することになります。そしてやはり不機嫌になり、その様子を見たアドリアンとレアも反感を持ちます。都会で育った3兄弟と田舎で過ごすポールには大きな壁ができてしまいましたが、2か月間過ごす間にそれぞれの関係性に変化が起こっていくのでした。
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南フランスの観光地プロヴァンスにジャン・レノが似合う
観光地として有名で、度々映画作品の舞台になっているプロヴァンス。作中に出て来るプロヴァンス料理はニンニクとオリーブ油、そしてハーブがこってり入った伝統的な料理。肉に魚と色鮮やかで美味しそうな料理も魅力の一つ。そしてラベンダーやオリーブの木が並ぶ樹木畑が目に優しい風景を造り出していました。
そんな時間が止まったかのような穏やかな風景にジャン・レノが溶け込んでいます。今作では物騒な役ではなく(銃をぶっ放すシーンはありますが)、初めて会う孫に戸惑うおじいちゃんを好演。頑固というかツンデレというか、ゴツイけど可愛らしさがありました。
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本当は仲良くしたい
17年前に喧嘩して出て行った娘の子供達。年頃に育ったアドリアンとレアに対してはギクシャクしていますが、まだ幼いテオとは早く馴染みます。”どう接したら良いのかわからない”というのが本心で、本当は娘とも和解したかったのでしょう。親父として怒鳴った若い頃と同じ試練が、次は孫になって再びポールに訪れたのです。
ポールがパリよりプロヴァンスが好きな理由が「ゆっくりがいいんだ。朝は青白い日が刺し、夕方になると夕日に包まれる。パリでは起きたらすぐ夜だ。」というのが沁みる。慌ただしさを好まず、穏やかに過ごしたいと願うポールの気持ちが全て現れており、本作全体を集約したのがこの言葉でした。とても優しくて愛らしい作品。そして末っ子テオの可愛らしさよ・・・愛嬌とはこういう事ですよ。
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