ポリス優しいな・・・
ある日突然家の前に
NSAで契約社員として働くリアリティー・ウィナーはペルシャ語等の英訳業務に勤しむ勤勉な若者です。休日に買い物を終えて自宅に戻ると、そこには2人の男が待ち構えています。そして「君は機密情報を誤って使用した可能性がある。令状もある、見たいかい?」と温和に話しかけてくるのでした。
2人はFBI捜査官であり、その後にも複数の捜査官が自宅にきます。家宅捜査は行うものの、「任意で協力してほしい。話すのはここでもいいが、他と遮断された場所がいい。」と話しています。混乱するリアリティーですが、身に覚えがなく違和感を感じます。しかし具体的な聴き取りが行われ始めると・・・
完全実話といって良いのでは
本作は実際2017年に起きたアメリカ国家機密漏洩事件の”FBI捜査官が録音した音声データ”を完全再現しており、台詞は一言一句このデータ(伏せ有)から引用されています。それを踏まえて観てみると、妙に好意的に話す警官たちの生々しさが伝わってきます。
序盤では捜査と全く関係ない会話が繰り広げられます。更に「令状がある」と言いながらも「任意で協力してほしい」と”自白”をほのめかす場面も。素性調査で悪意はないと確信していたのか、刑を軽くするために誘導しているようにも見えていました。アメリカンポリス優しいやん(録音されるシステムのおかげかな?)。
ちょっとした事のつもり・・・
リアリティは”何かをした”という感覚がありません。経歴からも母国愛が見えており、クーデターという言葉はしっくりきません。それぐらいの認識の出来事だとしても、FBIからすれば”国家の大事”となります。プライバシー流出とはレベルが違う話ですから・・・
このリアリティ・ウィナーという女性の存在を知りませんでした。本作で知った人物ですが、機密を扱う会社に勤めてる以外は普通の25歳女性です。職場が特殊なため起こってしまった、と庇う事も出来そうな話。しかしその代償の大きさは僕の持つ全ての情報を漏洩しても敵いませんね。出来心を抑える理性が試される、そんなお話(実話)でした。



コメント も、文句以外で・・・