これが元ネタアリって衝撃・・・
妹を探しに”エデン教区”へ
フリーカメラマンのパトリックが突撃取材で有名なデジタルメディア会社VICEを訪ねて来ます。ドラッグ中毒の妹キャロラインが共同体で更生サークルに入った、という内容の手紙を持ち込み”嫌な予感がするんだ”と訴えます。話を聞いたVICEのサムとジェイクは、パトリックと共に共同体”エデン教区”に向かいます。
3人はエデン教区に到着するとすぐに武装した男達から質問を受けます。不穏な空気が流れだした時、キャロラインが顔を出し教区内に入る事が許されました。そして取材も許可されます。教区内では人々は穏やかで”幸せに暮らしている”と取材に応えます。しかし”全財産を共同体に寄付した”という話を聞いたり、何か話しずらそうな態度を取る親子も居り違和感を感じます。そんな時にサムは共同体のリーダー”お父さん”の存在を知る事に成り取材を取りつけるのですが・・・
元ネタ教団”ピープルズ・テンプル・オブ・ザ・ディサイプルス・オブ・クライスト(人民寺院)”
こんな作品に元ネタがあるとか本当に恐怖。1955年アメリカのインディア州で人民寺院と呼ばれるキリスト系新宗教が創設されます。教祖はジム・ジョーンズで”平等主義”を強調していました。貧富に関係なく”集会”に参加できるよう配慮され、炊き出し・家賃援助といった社会的な活動も意欲的で、当時複数のローカルメディアが取り上げ注目されていました。
そんな夢と理想を持った共同体だったのですが、ジムを始め信者全体が”アメリカは人種差別大国だ”と考えガイアナへ移動します。そして1978年11月17日、人民寺院による人権問題の調査にアメリカ合衆国下院議員レオ・ライアンが訪れます。この訪問の際に一部の信者から”ここから逃げたい”という申し出を受け11月18日に連れて出国しようとしますが、空港で襲撃を受けます。襲撃時数秒間の映像が撮影されています。そしてその18日の夕方”集会”にてシアン化合物入りの飲料が振舞われ900人を超える信者たちが集団自殺・・・ジムのカリスマ性の高さと、人間の弱さが見える事件です・・・
自殺か虐殺か判断しにくい
カルト・共同体といえば”集団洗脳”。こういった場合”自分で決断した”のか”強要された”のかわかりません。自分の信じるモノは自分で決めれる世の中ですが、”自ら寿命を縮める”という集団活動?には違和感を感じます。しかしこういった”洗脳”とは身近なもので、ここまで極端ではないにしろ生活の中には大小関わらず存在しています。常日頃から”自分”を省みる事は必要です。
重いテーマですが、こういったカルト系映画はやはり教祖の存在が作品の優劣を決めます。本作で姿を見せた”お父様”のイきっぷりは見事なもので、まさに唯我独尊。彼の一言で全てが決まるこの集団は、当人にとっては”楽園”に間違いありません。壮大にトんでしまっている”お父様”の発言を聞くだけでも、この映画を観た甲斐がありました。良い事言ってるのに違和感がすごい教祖役を果たしたジーン・ジョーンズは、本当はお茶目で可愛い雰囲気の俳優さんです。
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