コメディカンフーの始まり作
青年が助けたのは”達人”
清朝末期、蛇拳流は鷹牙拳に敗れてしまいます。そして蛇拳最後の生き残りとなったティエンは、家賃を滞納して家を追い出されます。この頃ウェン道場では金持ちの勧誘に失敗し苛立っており、その前で寝ていたテイエンは絡まれます。そこに現れた青年チェン・フーは、お年寄りが虐められていると思い助けに入るのでした。
このチェン・フー、ハンタイ道場の納屋で暮らしている道場の殴られ役。助けた(実際はテイエンのおかげ)後、納屋で暮らす境遇を憂いティエンは”躱し方”を教えます。ティエンが去った後、残した手・足形をなぞることでチェン・フーは拳法に触れます。夢中で訓練に励むチェン・フーは、この得た力が原因で道場を追い出される事になるとは思いもしなかったのです。
意表をつく象形拳
本作”蛇拳”は思い付きではなく実際に存在しています。但し各拳法の”型”として、蛇・虎とか動物名を使った”構え”や、動物や自然を模倣して創作する”象形拳”と呼ばれるモノがありどれかわかりません。見た感じから蛇の動きを取っているので本作のモデルは、”象形拳”の一種かと思われます。
蛇に見立てられた腕は、指先を蛇頭のように尖らせます。古武術のため一撃必殺と、目等の急所を狙って放つのも拳法の特徴。生死のかかった戦いでは”意表をつく動き”は明暗を分けます。相手を追いかけ追い詰めていく、そんな蛇そのものな動きが観衆の(特に男性)心を鷲掴むのは致し方のない事でした。
その動きは”魔性”
ジャッキー映画あるあるなのですが、特にこの蛇拳は酷い。こんなのやられたら真似するでしょう!?利き手の手首を90度、指先は尖らせて蛇頭の形にします。もう片方は尾の動きになるので蛇のとぐろのように利き手肘元に添えます。そして蛇の動きをイメージし・・・親に見られたのは遠い昔の良い思い出となっています。
そんな黒歴史を作ったのは僕一人ではないはず。本作は終盤間際に鷹に蛇だけでは不利と見たのか、有利な動物を取り入れるのです。しかしこの進化版はちょっと真似しづらい。そう、学びが浅い我々では進化に辿り着けないのですよ・・・反れたのですが、本作は真似をするほど面白い!小学校卒業までに一度は観て・観せておくと親は子供の黒歴史の瞬間を見る事ができるかもしれませんよ!
コメント も、文句以外で・・・