陰のあるウィル・スミスもいいですね
感情を失った男
広告代理店「ヤードシェム・インレット」の経営者であるハワード・インレットは、”広告の哲学者”と呼ばれる程の凄腕。声高らかに演説を行っています。しかしこの3年後、最愛の娘が6歳で他界したことが原因で”感情”を失います。出社してきた彼は、ドミノを並べては倒す事を繰り返すという毎日を送ります。
ハワードは”愛”に「求めてきたのに裏切られた」、”時間”に「何も解決しない役立たず」、”死”は「逃れられない、つきまとうな」と書いた手紙を投函します。そんな自暴自棄な生活を送るある日、突然目の前に老女が現れ「あなた私に手紙を出したでしょ。間違ってる、そうじゃないわよ。」と声を掛けてきます。”死”を名乗るこの女性との出会い後、さらに「愛」「時間」を名乗る者が現れ3人に付き纏われる事になります。
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愛・時間・死の答えは誰に向けて?
登場する3つの概念はハワードだけではなく、3人の創設メンバーにこそ必要な概念でした。同時経営者のホイットは自身の行動が原因で”愛”のない生活。クレアは仕事に熱中しすぎたために婚期を逃し、子供を諦めたという過去の”時間”に悔いがあります。そしてサイモンには家族にも話していない病気による”死”がにじり寄っていました。
ハワードだけではなく、創設メンバー併せて4人のそれぞれに物語があります。そこには失ったモノを取り戻す、ではなく”受け入れる”という選択が必要だったのです。3人は各々1つだけですが、ハワードに関しては3つ全てと、尚且つちょっと特別なセラピーが必要でした。
乗り越える・受け入れるとは
最愛の娘の死を受け入れるには時間が必要であり、乗り越えるための最後のひと押しが愛という作品。大量の伏線が張られており、概念の3人も”実は・・・”なオチが隠されていました(こう書いてても騙されるので、ネタバレじゃないよ!)。後半に出て来るセラピストにも要注目です。因に僕は最後まで観て「あれ???」と感じ、後半だけ再度視聴して確認してしまいました・・・伏線物いいですね!
立ち上がり再出発的なヒューマンドラマ。しんみりと最後まで視聴した後は、前傾姿勢で巻き戻しながら伏線回収していくのが楽しい作品。ウィル・スミス主演でこいう重い作品は経験なかったので新鮮でした。しかし何といってもお勧めのみどころは、冒頭から出て来る”ドミノの美しさ”です!本編とは無関係!
⇑ 「グッバイ!リチャード」も生きる目的探し
⇑ 「アジャストメント」もSFヒューマン
コメント も、文句以外で・・・