勇気ある対峙でした
静かで激しい会合の幕開け
小さな教会に訪れたのは仲介役のケンドラ。この日は一室を借りて”とある会合”が行われる日。椅子の配置や子供の作ったステンドグラスを吟味するなど、非常に神経質な面持ち。そして2組の男女が到着しました。共にぎこちなく挨拶を交わすと、用意された部屋で2組、4人だけの会が始まりました。
ジェイと名乗る男性がこの会への参加を感謝し、妻ゲイルが娘の写真を取り出してリチャードとリンダに見せます。更に息子の写真をゲイルが出すと4人から笑顔が消えます。これは6年前に起こった高校銃乱射事件の被害者遺族と加害者遺族との会なのです。この対峙は何かを生み出すのか・・・
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出来事と関係
この日の6年前とある高校で起きた銃乱射事件。起こしたのは同高の生徒。多数の同級生を殺害した後、自身も校内で自死しました。そして今回被害者遺族の一組(両親)が”訴訟しない”事を約束した上で、加害者遺族(両親)と直接話し合いの場を要求。両者が直接会う事は今まで無かった。
この辺りを理解しておけば、じっくりどっぷり会話劇を楽しめます。両者共に大きな傷を負っていますが、立場が大きく異なっています。”何かを受け入れたい”側と”どうすればいいのかわからない”側。この相容れない意見交換に纏う強い緊張感に、視聴者である僕も疲弊してしまいました。
全て言い放てば楽になるのか?
序盤で”何の集まりか”を理解した時、この対峙は”無意味”と考えていました。戻らない時間に何を求め、何を答えるのか。犯人も自死しており、攻める側も攻められる側も何の答えも持っていないのです。でも人間なので置き去りになった感情が色濃くなって、どうしようも無くなってしまったのですね。
”赦したい・赦されたい”生き物、という人間の本質が見える作品。フィクションと割り切って観ないと目を逸らしてしまいそうでした。いやあ、4人全員が実力派俳優の迫力といいますか、鬼気迫るモノがありました。ラストの実際には”そうはならないでしょ?”なオチも、映画ならアリですよ。重苦しいだけで終わるならドキュメンタリーでいいですから。・・・ドキュメントで作れないよね・・・こんなの・・・
\サブスク引き籠り応援団です/


コメント も、文句以外で・・・