トム・クルーズの熱演がみどころ?
新作「トロピックサンダー」の撮影現場
俳優タグ・スピードマンが人気者だったのは過去のこと。すっかり落ちぶれてしまった彼は新作「トロピックサンダー」に俳優生命を賭けています。しかし今回の撮影は曲者揃い。好き勝手な俳優陣に監督は疲れ果て、そして遂に切れてしまいます。そして「ジャングルで!本当の戦場で!撮影をしよう」とジャングルへ向かい始めるのでした。
そして「手持ちカメラを使って撮影する。本物の戦場で伝説を作るんだ!」と監督が意気込んだ一歩目、あえなく地雷を踏みつけ爆死してしまいます。本物の戦場と理解していないスピードマンは大困惑。しかし他俳優を落ち着かすため「素晴らしい特殊メイクだ」と話します。そうして俳優VS現地の戦士達の派手でおかしい下品な戦いが幕を開けるのでした。

ベン・スティラーの趣味で作った作品かも・・・
日本の笑いとは全く違うアメリカンコメディ。観た印象としては、ベン・スティラーが好きな俳優を集めてワチャワチャしたかったのかな。本気でふざけている姿から、撮影現場はきっと明るく楽しかったんだろうなと伝わってきます。監督が初っ端から吹き飛んでクビだけになるとかコントみたいです。
普通に差別用語もグロもエロも出てますので、下品苦手な方には厳しい作品かもしれません。最初から最後までしっかりふざけ切った作品ですが、実は大偉業を成し遂げています。それは興行収入1億ドルという大ヒットなのに、制作費用1億ドル(主に人件費)で赤字というもの。俳優揃えて宣伝して赤字というダレトクな作品ではありますが、きっと出演者は満足してます。
トンデモ作品に豪華名優陣
監督は主演ダグ・スピード役も兼ねてベン・スティラーで、ジェフ・ポートナイ役にジャックブッラク、カーク・ラザラス役にロバートダウニーJrという豪華俳優陣を揃えています。そら1億ドルかかるのも仕方ない。この俳優達に与えられた役は、もれなく独特で濃すぎるキャラクターになっており、観る者に心地よい不快感を与えて(褒めてる)くれました。
しかしどの役者よりも活き活きと輝いていたのはレス・グロスマン役のトム・クルーズ。金に汚く高圧的、冷血で無慈悲な上に利己的と見事な嫌な奴。しかしこのデブ・ハゲ・胸毛な上に、出番も決して多くないこの役でトム・クルーズは光ります。最小時間で最大の悪目立ちをしたトムの姿は夢にも出て来るでしょう。そしてレス・グロスマンの動画を探し、繰り返し見てしまう症状に襲われる事間違いなし。終わってみれば、トム・クルーズしか出演していなかったようにも感じてしまう不思議な出来の映画でした・・・

⇑ イカレてるけど面白い、そんな作品観たくないですか!


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