親の姿見て・・・
変化の兆し
1960年代、モンタナ州グレート・フォールズに引っ越して来た、ゴルフ場で働くジェリー、専業主婦のジャネット、14歳の息子ジョーの3人家族は幸せに暮らしています。しかしある日、唯一の働き手ジェリーが解雇され酒に逃げてしまうようになります。
しばらくしてゴルフ場から連絡が入ります。それは”解雇を撤回したい”という内容。ジャネットとジョーは喜びますが、ジェリーはプライドが許さず復職を断ります。生活のためジャネットが仕事を始め、ジョーもアルバイトを始めました。しかしこの頃から夫婦間は酷く荒れていくのでした。
息子ジョーの成長に期待
親の都合に振り回されるのは常に子供。ジョーは転校した学校に中々馴染めず、父親ジェリーの期待に応えるためアメフトをしていますが、そもそも好きではありません。そこでジョーは家族を助けるためにアルバイトをしたいと話しますが、飲んだくれている親父ジェリーが反対します。
ここまで観て”子供可哀そうやん・偉いやん”と思うでしょ。その通りなんです。可哀そうではありますが、崩れていくこの家族に残った最後の希望はジョーなのです。自立しようと成長するジョーを見て、両親も徐々に改心・・・という作品ではなかった!!
安心してください、ロクデナシですよ
酒に溺れて家族の願いと違う行動に至る父親。家庭の為に始めた仕事で壊れていく母親。成長する息子と退化していく大人の対照的な姿に哀しさと憤りを感じます。でもまあ、なんというのか、大人がダメだと子供は早く育つという意味では親の仕事を果たしたのかな・・・
本作のキャッチコピーが”僕は2人から人生の全てを学んだ”です。ジョー視点の作品であり、この文言に風刺が効いています。しかし残念ながら、おっさん(僕)は知っています。落ち目な時は馬鹿になるもんだ・・・と。成長の枠がない分、ちょっとした事への耐性がないんです。そんなリアルさに切なくなる作品でした。
コメント も、文句以外で・・・