女中さんの実力とは!!
女性の一大職業”女中”
昭和9年5月の始め頃の東京、女性翻訳家である蓮見令子のもとに、おじの屋敷で働いていた野中ハナが女中としてやってきました。14歳と若いながらも屋敷仕込みの家事の腕前は非の打ちどころがく完璧。しかし、自分を前に出すことに不器用な一面もありました。
幼い頃から他家で自制した生活を送っていたハナは、感情表現が苦手になっていたのです。お洒落や娯楽を知らず、休暇を取る事も無い生活だったハナですが、雇い主である令子はモダンガールの走り。ハナを可愛がり年頃の女の子と同じ体験をさせようとします。そうして2人はお互いに影響を受けていくのでした。

魅力はハナか令子か、どちらもか
野中ハナは現在14歳。10歳から女中として勤めており、家事全般鍛えられています。小柄でおさげ髪に大きな丸眼鏡が特徴的で内向的。先進的な令子の行動に呆気に取られたり、渋い顔で悩んだり。その些細な動作がハナの可愛らしさであり愛嬌になっています。
ハナの雇い主蓮見令子は翻訳を生業にしています。西洋文化に積極的で、昭和初期にはまだ珍しい電気・ガス・水道を自宅に引いており、宅内風呂や宅内お手洗い(当時は両方屋外が普通)を取り入れています。古風なハナが驚く様子を楽しみ、些細な行動を愛でる。その母性が令子の魅力です。
自分でする!な時代
まだ掃除機・洗濯機というモノがない家庭が多いため、ハナは手洗い・掃き掃除を行います。更に炭火で料理を作り、着物を頂くと分裁し一回反物に戻して仕立て直します。電気製品が普及する・しないの丁度境目である100年前は、現代人から見るとファンタジーな日本であった事を感じさせます。
当時の生活様式や環境が伺える本作。ゆっくりした時間を愛でるように描かれており、安心して読める漫画でした。”ほっこり”という言葉がしっくりくるので、日々に疲れた方は是非癒しを求めて読むことをお勧めします。
しかしアレなんですよ・・・この5年後に第2次世界大戦が起こるのですよね。いや、そんな事考える必要はないのだけれども、このちいさな女中さんの世界に大戦は無縁ですよね。・・・嫌ですよ・・・戦争編とかさ・・・
\月額550円で見ホーダイ・読みホーダイ/


コメント も、文句以外で・・・