逞しいは美しい
なんで選ばれたの!?
とある辺鄙な辺境地区の領主の妹フェリア。魔物と戦う程のお転婆娘のため、嫁の貰い手がない事を兄に心配されています。しかしある日、兄がはしゃいで帰ってきたと同時に「王様のお妃に選ばれたぞ!」。そしてフェリアは一言「兄さん、また飲んでいるのね。」と冷たい目であしらいます。
辺鄙な領地の田舎娘、お妃に選ばれるワケがないのですが、なんと”31番目”のお妃候補になったという話。1日には1番目のお妃と面会、という制度の国で31番目という事は3ヶ月に1度しか面通しがない、いわゆる”貧乏くじ”として候補の決まらない椅子だったのです。なんやかんやで王国に向かうお妃候補フェリアは、平民服で牛車に乗ったどう見ても平民。到着してすぐに門兵に止められます。そんな彼女が”最高の当たりくじ”と王が知るのは、31日が訪れてからのお話。
人を支える事に慣れている
お妃候補という事で王族・貴族・大商人が居座る大奥な世界に放り込まれたフェリア。彼女が喜んだのは絢爛豪華で大きな城、ではなく草花が元気に育つ”土”でした。嫌な女官長に引く事もなく、”次女の代わりと思って申しつけ下さい”と話してくれる護衛騎士に依頼したのは”農機具一式”でした。すでに眩い女性ですやん。
城より土、身分高位より身近な人、嫌な人も良い人も隔たりなく接するその態度にお世話する騎士達が惹かれていきます。そして”早く王様と会って欲しい”と騎士達が思う存在になります。それもそのはず、フェリアは既に完成されており良い意味で顔色伺いができる女性です。偏見ですが、お妃候補にこういった女性は現れにくく、我が儘か意見はない・合わせる事が多いと思います。そんな中、物珍しさと逞しさが相まって更に輝いて見えるフェリアです。
現代版シンデレラ(絵本化いいんじゃない)
自分の居場所は自分で作る!そういった意思を感じます。”上品であるべし”という概念はある程度必要ですが、”下品だから悪い”ということにはなりません。フェリアの生き方には何かカッコイイと思わせる”姿勢”がありました。守られるだけではない、守ることができるお姫様として絵本化してもウケそうです。
女性向け漫画でありますが、男性でも楽しめます。いや、絵柄とかが煌びやかなので苦手な男性も多いかもしれませんが、ノベル版とかは女性主人公というだけでストーリーは幅広い層が楽しめます。勿論昼ドラ系の姿も見せますが何があってもブレないその逞しさに、不甲斐ない男達も働くのでドロドロではなく、ドロッとしてる程度です。何故この女性が独身なのか、それだけが本作の謎です。


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