温度差のあるTAGが熱かった
陸上トラックの王子様
千葉県大会で100m決勝が行われようとしています。駒上中学3年の伊出延久は緊張する隣のランナーに「緊張?まっさか。こーゆー場合は興奮するっつーの。」と笑顔を見せます。そして11秒04タイムで優勝。同じ日、16歳以下テニスIN東京ジュニア部門が行われ、中学3年の滝田留宇衣と佐世古駿が日本テニス界で期待を浴びていました。
延久は100mに続き3000mでも優勝をさらい意気揚々と岐路についています。その帰り途中で道に落ちてある美足を見つけます。その足の主は幕ノ鎌高校の尚田という美少女。テニス部所属の彼女は壁打ちを始めます。延久はそのただの壁打ちに見惚れていました。そしてその単純な性格故にテニスにのめり込むのでした。
熱く単純×冷めていて複雑
伊出延久はとても単純で、熱しやすく冷めにくい主人公です。そしてもう一人作品の要になる滝田留宇衣は逆に冷めており熱しにくい性格。この両極端な2人はお互いを高める起爆剤となっています。天才ともいえる延久に、秀才でありテニス経験の長い留宇衣は焦りを感じています。しかし延久も同じく葛藤していました。
特に打たれ弱い留宇衣は自分に打ち勝つ事が出来ません。部活を通じてライバルであり友達であるお互いを尊敬しながら打倒を目指す。そこには恋愛があり、他高校の善きライバルの出現ありと、純粋で真っすぐな青春が熱く描かれていました。
見惚れたのは尚田?テニス?
延久は一目ぼれしたようで、尚田を追っかけて幕ノ鎌高校へ行きます。この出会いの時は尚田を見ていたのですが、恐らく気づかぬ内にテニスにも惹かれています。テニス部入部の動機は尚田でしたが、そこにはテニスに対する純粋な興味もありました。そしてその”上手くなりたい”というひたむきさが周囲にも大きく影響を与えます。
好きな人・本当にやりたい事、この両方を同時に見つけたのは天啓。迷わずに追いかけるという単純明快なストーリーでテンポ良く展開します。しかし単純に事が進まないのが羅川作品。延久の前には色々と障害が立ちはだかります。重くのしかかるようなストーリーが待っているのですが、延久のキャラが単純明快・活発ということでパワフルに乗り切っていきます。元気と希望を分けてもらいたい時は「しゃにむにGO」がお勧めです。
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