アバンに注目
勇者ごっこをする少年
魔王ハドラーが勇者に倒され十数年。モンスターが平和に暮らすデルムリン島には、鬼面道士ブラスに育てられた唯一の人間ダイが暮らしています。そしてダイは将来勇者になる事を夢見て日々修行に励んでいます。そんな何の変哲のないある日、突然島のモンスターが凶暴化し暴れ始めます。困惑するダイに、なんとブラスまで影響が現れます。
かろうじて理性を保つブラスは魔王の復活を察知し、影響のないゴールドメタルスライム(通称ゴメちゃん)と共にダイを島の外に逃がそうとします。しかしとうとうブラスも凶暴化・・・そこに現れたのは勇者の家庭教師を名乗るアバンと弟子のポップ。島全体をマホカトールで覆い魔王の影響から島のモンスターたちを守ります。そしてダイはアバンに弟子入りし、「勇者」になるための修練を積むことになるのですが・・・・・
完璧な師匠 アバン=デ=ジュニアール三世
勇者の家庭教師であるアバンは、一見ふざけており軽い人物に見えますが、高レベル呪文を駆使し体術も魔王と渡り合えるほどのツワモノです。そんなアバンの教えを受けた「アバンの使徒」と呼ばれる者たちが各地に存在します。そしてダイの仲間となり支えていくようになるのですが、アバンの教えとは単なる戦闘力ではありませんでした。
アバンは「正義なき力が無力であるのと同時に、力なき正義もまた無力なのですよ」と生徒に教えています。力の使い方を教えるアバンの考えや姿勢が伝わってくる名言です。軽いノリの奥に見える圧縮され洗練された重厚な人間力に憧れすら抱きます。実際の出番はかなり少ないのですが、常に人間の希望として影響を与えるアバンは完璧な師匠であり尊敬に値する名士です。登場の度に涙するシーンが多くなりますので、その際には「ぶわっ!!」と泣いてください。
大冒険の期間は3ヶ月ぐらい
アバン先生の再登場で明らかになったこの冒険期間。既に公式等で細かい日数が出ておりますが、そこはブログという事で、「洞窟に入って3ヶ月あまり」だけを頼りに考えてみます。
デルムリン島でアバンがハドラーにメガンテを喰らわせてから、再登場である最後の戦いまで3ヶ月程度という、なんだか「ひと夏の大冒険」みたいな期間。連載期間の割にと感じましたが、確かにVSボス(クロコダインとかヒュンケルとか)のシーンって多分1時間も戦ってないですからね。修行そこそこ、即現場戦闘という「訓練は実践に及ばず」を体現した勇者一行です。
この間に滅ぼされた国もあるので、この短期間で打倒することが人類復興・再建にとって必要でした。ほぼ戦いの毎日で修行日・休暇日を合わせても15日程という、概ね魔王軍との戦いと準備に追われ、成長というよりは覚醒しながら進んでいます。「ドラゴンクエストⅢ」を何も調べずに楽しんだ小学生のクリアタイムみたい。そんな事考えると「ゲームに沿った」作品だなあ・・・と感慨深いものです。
ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
ドラゴンクエストと同じじゃ面白くない!
ゲームと同じでは面白くない!というコンセプトで考えられたこの作品、世界観はドラクエそのままにオリジナル溢れるタイトルで作られました。勇者以外の人間も魔物と戦い、近代機器と魔法を組み合わせた武器も登場と、わくわくさせてくれる作品。そして大冒険を彩るキャラクター達は味方に限らず、敵すらも私たちの心に突き刺さるヤツラばかり。こんなのドラクエよりハマルわ!!!!
1989年から1996年まで週間少年ジャンプで連載された「ダイの大冒険」。30年の時を経て2020年からアニメ放送が再開。以前は途中で終わってしまったアニメですが、今回は最終話まで続きます。漫画に熱中した世代の子供、下手すれば孫の代までと世代を超えて愛される神作となりました。親子で会話ができる長期タイトル「ダイの大冒険」は未だ躍進中です。
⇑ アバンの教え”力なき正義も無力”の言葉が思い浮かぶ作品「BASARA」
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